べぎログ-べぎの感想・考察-

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主にプリキュアシリーズの感想と考察

ノケモノたちの夜 第25夜感想

会談で示される貴族の誇り。

 

 

本題に入る前に一つ言いたい。

 

ダイアナが無事を祈ってくれるがいて嬉しいといったことに『俺はノーカンかよ』とナベリウスが返すわけですが、これに『だってアナタは悪魔でしょー』というのが最高に可愛い。言葉遊びのセンス爆裂なんですよね。

 

では本編です。

 

貴族の誇り

 

ナベリウスが化けたブラックベル家当主の正体を疑う団長ですが、これに関しては水掛け論にしかならないんですよね。スパッと切り上げて本題の会談に入るあたりは団長らしいなと思います。

 

そして団長の提案も上手いですよね。ダイアナが望むのは家の名誉回復であると見越した上での自身が王室にかけあうという提案。代わりの条件として悪魔との契約破棄を望む。騎士団としては大悪魔ナベリウスという脅威が排除できればいいわけですし、戦わずして為せるならそれに越したことはないでしょう。

 

ダイアナにとっても勝ち目の薄い戦いを避けられるわけですが…。

 

断固拒否ですわっっ!!

 

と、高らかに宣言しました。

 

ここからの流れはもうダイアナの言葉を並び立てたうえで『良い…』と言い続けるだけでも良いかなとも思うんですが。いやだってあまりにも良すぎるし、読めばわかるもの。まあ感想記事って言ってる以上、そういうわけにはいかないのでちゃんとします。

 

貴族にとって誇りとは自身の命をかけて守るもの。他者の施しを受けてまで家の名誉回復をしたとしても何の価値もないってことですね。それを『死んだほうがマシ』と命をかけて誇りを守るという言葉にかけて発言するのが最高にかっこいいです。

 

ダイアナの望みは『家の名誉回復』が全てではなく、それをも含む『貴族の誇りを取り戻す』ことにあったということ。ここを団長は失念していたから交渉はうまくいかなかったとも言えます。団長からすれば命を賭して誇りを守って何になる?となるわけですよね、だって死んだら全部終わりですもの。このあたりは合理性の塊の団長らしくて好きです。

 

日本にも武士は食わねど高楊枝という言葉があります。武士は貧しくて食事ができなくても、あたかも食べたかのように楊枝を使って見せる。武士の清貧や体面を重んじる気風のことを表しています。

 

今回のダイアナもまさにそれなんですよ。

 

誇りを守るために命を懸け、文字通り死ぬまで戦い続ける。

 

腹の足しにもならない誇りのために命を懸けるその姿こそが貴族の在り方の一つ。生きるためには食わねばなりませんが、腹の足しにもならないという言葉を使ってるのがまたセンス爆裂なんですよね。

 

 

誇りを守るために生きる、気高き貴族の在り方。

 

ダイアナ、最高にかっこいいです。

 

 

…そして、彼女は生き様といっていますが。

ある意味では死に方のことを言っているんですよね。

 

施しを受けて生きるより、誇りを取り戻して死ぬほうがよっぽど気高いってこと。

 

 

おわりに

 

この話を見たとき『え、まってめっちゃ面白くない?』となったのを覚えています。ダイアナがめちゃくちゃかっこよかったですし、そのダイアナの姿を見たマルバスが『ナベリウスが肩入れする理由がわかった』のも良かった。マルバスも我々読者と同じく、外からダイアナとナベリウスを見てる者なのである意味で見る立場が同じなんですよね。

 

私にとってこの作品への接し方が変わったターニングポイントなので、非常に思い入れが深いです。