べぎログ-べぎの感想・考察-

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主にプリキュアシリーズの感想と考察

ひろがるスカイプリキュア42話感想

物語の根幹である『ソラ・ハレワタールがなるヒーロー』に触れるお話。

 

 

 

 

憂いのあおきヒーロー

 

前話、何故アンダーグ帝国はこのようなことをするのかをスキアヘッドに問うたわけですが彼の返答がソラちゃんに迷いを生じさせました。

 

『愛するお方がそれを望んでいるからだ』

 

その言葉を聞いたソラちゃんは戦いを忘れてしまったようですが、何故そうなってしまったのかすら本人はわかっていない様子。それをずっと悩んでいるから様子がおかしかったわけですね。まあその様子がおかしい姿もとても可愛いわけですが。

 

 

出典 ひろがるスカイプリキュア42話

 

あとアバンでの憂いを秘めたみたいな目が好き。

 

そんなおかしい様子をシャララが気づかない訳はなく、悩みを聞くわけですね。

 

ひとりで

 

悩むソラちゃんに改めて『君は君のヒーローを目指せ』と以前かけた言葉をかけるシャララ隊長。ソラちゃんも『大切な仲間と共に』と返し、シャララ隊長が何を言おうとしていたかはわかっている様子。

 

これは推測でしかないですが、困っているなら仲間に頼ってみたらどうだ?と伝えているのでしょう。また『君は君のヒーローを目指せ』という点は『正解ではなく自分の答えを大事にすること』を伝えているように思います。

 

 

出典 ひろがるスカイプリキュア42話

 

ところが今回、ソラちゃんはあえて仲間には頼らないと宣言するんですね。

ツバサは猛反発、これに関してはかつてあの伝説の23話でも『仲間なんだから相談してほしい』と仲間であることの大事さを重視していた彼なので納得のいく動きです。仲間が悩んでいるなら力になりたいという意識が見えますね。

 

…ただ、個人的にも今回はソラちゃんがひとりで考えて答えを出すべき問題だろうなと思っています。メタ的な話になりますが、恐らくこの悩みについての答えはシャララの言うところの君のヒーローつまり『ソラちゃんがなるヒーロー』に直結します。であるならば、ソラちゃんが自身で答えを出すのが望ましいんです。

 

ソラちゃんの考えとしては『ちゃんと自分と向き合うことでないと答えが出せない』というもの。あげはの言う通り、自分のことはきっと自分にしかわかりません。何故戦いを忘れたのか?戦いを忘れた自分を見つめることで答えにたどり着けるんでしょう。

 

あえてひとりで答えを出すことを選んだソラちゃんの行動に納得できるし、個人的にもとっても好きな話の流れです。

 

あなたはあなたのヒーローを目指してください。

きっとそれが素晴らしい物語の結末を生み出すことでしょう。

 

出典 ひろがるスカイプリキュア42話

 

…それだけかっこよく『ひとりで答えを出す』って決めたのにBパートでいきなり『見つかりまーせん!!!』ってなってたのは笑いました。これもまためちゃくちゃ可愛いんですけどね。

 

未熟なままで

 

結局のところ、悩む原因はスキアヘッドの言葉を聞いたから。だからスキアヘッドと話してみたら?というウィングの提案。あくまで『悩みの解決手段』を提示しているだけで答えに直結しない提案なのが良いバランスだなと思いました。

 

そしてスキアヘッドとの会話。

愛するお方のために、つまり誰かのために戦うスキアヘッドは自分たちと同じかもしれない。であればもしかしたら戦わなくても良いのでは?とソラちゃんは考えたわけですね。

 

根底の思いが同じなら、もしかして手を取り合えるのかもしれないという発想。このあたりのムーブって歴代シリーズでもあったと思うんですが、それをソラちゃんが悩んだ末の答えとして出すことでこの作品の意図にも沿う部分が出てきたように思います。

 

迷い悩むソラちゃんに対して、スキアヘッドは迷わないし悩まない。

戦う相手に興味を見出している事自体は否定しないものの、その欲求が『感情的』であること。そんなソラちゃんの姿を『未熟』と評するスキアヘッドでしたが、この言葉を受けてのソラちゃんの返しが最高でした。

 

 

出典 ひろがるスカイプリキュア42話

 

これが未熟というのなら、未熟でも構いません。

未熟だから知りたいんです。

未熟だから、立ち止まらず前に進まなければならないんです。

考えて悩むことが未熟だと言うなら、それでいい。

それこそが仲間と共に私が目指すヒーローです。

 

もはや何一つとして削ることができないと感じたのでセリフをそのまま載せてしまいました。

 

ソラちゃんが目指すヒーロー、彼女自身が答えを見つけました。

そしてその答えが秀逸。『未熟』という十分に発達していない様を表す言葉を『常に答えに向かってあるき続ける姿』と別のポジティブイメージを与えています。まだ完成していないからこそ、完成に向けて歩き続けることができる。常に何が正しいのかを考え探し続ける。そういう生き様こそがソラちゃんの目指すヒーローなのでしょう。

 

まーとかく、めっちゃやばいなこれって思いました。

ある意味で『未熟であることが完成形』になってるんですよね。

『未熟』であることを『答え』としたソラ・ハレワタールの答え。最高でした。

 

おわりに

 

ソラちゃんはしっかり答えを出したわけですが、スキアヘッドとの話は結局できず。そのあたりも解決させるんじゃないかって思います。対話パートはきっと来る。

 

そして次回はついにバッタモンダーの正体バレ、恐らくましろ最後の個人回。

彼女の出す答えもまた注目です。

 

…いよいよ終わりに向かっていくんだなと思って寂しくなりますが、最後まで見届けたいと思います。