トロピカルージュプリキュア40話感想
OP前にいきなり特大地雷を踏み抜く夏海まなつ。
トラウマ
まあまなつに悪意はないんですよね、まなつは本当に面白いと思ってるんですから。ただマーメイド物語の話をされると一瞬顔がこわばったということは、どれだけ他者から褒められようが『みのりにとって』マーメイド物語は苦い過去であることが事実なんですよね。うーん、苦しさはよくわかりますよ。みのりにとって、がとても重要なんですよね。
過去の失敗の象徴ともいえるマーメイド物語、再び。みのりはどうするのか。
…それにしても今週のまなつの地雷踏み抜きっぷりは凄いですね。
『パパイア食べたことないの?』
『パパイアのお話書いたのに?』
物語に自身の経験が入っていないや上辺だけの知識で書かれてるって指摘を受けたことを気にしてるみのりになんてこと言うんや…。でも本人は悪気ないねん…。
伝説のパパイア
みのりにとって伝説のパパイアの美味しさは『みんなと一緒に食べるから』でした。では何故、みんなと一緒に食べると美味しいのか?それは『みんなと一緒に過ごした時間』によるものです。
みんなと一緒に過ごしてたくさんのトロピカってる体験をしてきたこと。それこそがみのりにとっての仲間の価値を増大させ、そんな仲間たちと一緒に食べるからこそパパイアが美味しく感じる。つまるところ、これまでの物語の積み重ねそのものが活きている展開です。そんなん納得行くしジワーンと心にくるに決まってます。
そしてその表現がとっても文学的。
パパイアは太陽の光を浴びて育つ。
キュアパパイアである自身が、トロピカってる体験をしたことで今の自分があるという比喩表現。オシャレが過ぎますよ。トロピカるが『常夏の太陽みたいにキラキラまぶしい幸せな気持ちが、胸の奥からこうブワーっと湧き上がってくるような感じ』であることも太陽要素を補完していますね。更に真夏の太陽たるキュアサマー夏海まなつの存在、重ねが凄い。
そしてそれを受けてタイトル通り『新しく物語を書く』となったのがトロプリらしいなって思います。過去じゃなく、今であり未来に向いているのがとってもトロプリっぽくて良い結末だったと思います。
女王の風格
それにしても今週のローラは凄まじい洞察力と気遣いでした。
『考えさせて』というたった一言の返答から『書きたいと思っているはず』『書きたくないなら即断る』と、みのりの心を推察しています。完全に考察する人のそれなんですよね。人魚姫イヤとか言ってたのは単に人魚が泡になるからだと思いますが、厄介オタクな香りしてきましたね。
そしてまなつが地雷を踏み自分が止めを刺したことでへこんだみのり。影がかかっていく演出、みのりの心が文字通り曇ったことを表していてとても好きな表現です。プリキュアお得意、光の影の演出。
そんなみのりを復活させるために、ローラは『何故パパイア農園は日当たりが良いのか?』と疑問を口にします。
チラッ。
『パパイアは南国フルーツだから』と、みのりが得意の知識で答え始めたことで安心する表情。質問をすることで、みのりが得意なものを出せる場を作り出したんですよね。いや、気遣いの鬼か????それを察して質問を重ねるあすかも流石年長者といったところでした。
やっぱローラは女王に相応しい傑物だよなーとか思うわけでした。
おしまい。