トロピカルージュプリキュア28話感想
みのりの過去、伏線の回収回。
とてもトロプリらしい結末だったと思います。
今日は感想膨らみそうだなあと思いながら、参ります。
みのりの変化
冒頭、文化祭のトロピカる部での企画会議をする一同。
表に出るのは得意ではないため、研究発表の展示制作という裏方に徹するとみのり。目立つのは苦手、それはあまり変わっていません。9話においてもドラマのエキストラ出演に消極的でしたし、26話においても星で光る係ではなく星を光らせる係でしたし。
そんなみのりがネット配信の生放送という目立ちまくりの場に自ら志願して立ったということ、これは大きなことですね。
とはいえ、じゃあ目立つ場が得意になったのか?と言えばそうではないと思います。
その証拠に…。
生放送の場に立つ前にメイクをするみのり。
トロピカる部のメイク教室の宣伝だからメイクしておいたほうが効果的という点もあるのでしょうが、別の意味もあると思います。
メイクは魔法、
勇気が出ないときはメイクで気合を入れる。
1話でのまなつの言葉。その魔法は9話で山辺ゆなにも勇気を与えました。
目立つのは変わらず苦手、だけどトロピカる部のピンチ。
だからメイクで勇気を得て、みのりは前に立ったんですよね。
『過去』と『今に至るまで』と『今』
トロプリ4話でもちょっとだけ示されていたみのりの過去。
かつて文芸部だったみのりが、なぜ文芸部をやめたのか?4話時点でもある程度想像がついたとおり、みのりが書いた小説をボッコボコに言われて自信を無くしてしまったこと。『描写もありがち、キャラも物語もどこかで読んだことのあるようなもの』という先輩の指摘自体は真っ当なのかな?と思います。
恐らくみのりがたくさん本を読んで『良い』と思ったものをそのまま出力したからでしょう。同級生やまなつが面白いと思って、先輩が酷評したのは読書量の差が原因。文芸部の先輩はたくさん本を読んでいるからこそ、みのりの出力した小説が『ありがち』と言えたんだと思います。同じく本をたくさん読んでいるみのりも、冷静に見返したらその点には納得していますしね。まなつとか絶対本読まないですし、そもそもあの島に本あるんか?
とはいえ、初めて書いた小説を酷評されたみのりのショックは大きかったことでしょう。それこそ小説を書くことができなくなるほどに。本を読むのは変わらず楽しかったようですが、空想することも好きだっただけに小説を書くことができない→空想をアウトプットすることができないというのはぽっかり穴が空いたような気分だったと思います。
これがみのりの過去。
4話当時、私はいずれこの過去と向き合い乗り越えるのかな?と思っていました。再び小説を書けるようになって…とかそんな決着を予想していました。
でも違いましたね。
みのりの心にぽっかりと空いた穴、満たされない部分。
それを満たしたのはこれまでの積み重ね。
プリキュアになって、トロピカる部に入って、それまでのみのりならやらなかったことも経験しました。太極拳もその一つでしょうね。今に至るまでのその過程が少しずつみのりに影響を与えてきたんでしょう。
生放送では堂々としていたように見えましたが、内心バクバクだった模様。それでも立ったのは、トロピカる部のピンチだったから。苦手に飛び込むほどにみのりの中でトロピカる部が大きくなった証です。ところでローラを参考にしたは笑いました、たしかに注目されたガリの彼女の所作はぴったりです。
28話が示したみのりの今、これまでの物語の積み重ねであり『今』を積み重ねてきた過程と思うと感慨深いですね。トロプリ、26話といいこういうことやるので油断なりません。
過去に立ち向かうのではなく、今を大事にし続けたことで問題が解決したというのはとってもトロプリらしいと思います。
ローラの変化
今回、みのりの過去に切り込めたのはローラの功績が大きいのは言うまでもないと思います。ここに切り込むのはローラしかできなかったと思うんですよね。
本人がどれだけ気にしてるかわからない以上、本人に直接聞くわけにはいきません。
本人が気にしてるかもしれない以上、踏み込まないのも優しさでしょう。
そこに真正面からじゃなく、裏から切り込めるのはローラしかおらんかもしれませんね まなつは真正面しか無理だし、さんごやあすかは踏み込まない優しさがある #precure
— べぎ☆♡ (@begirama_5ju) September 11, 2021
周りから情報を得るという立ち回りができ、かつみのりのことを気にして『踏み込む』のはローラだけだと思います。ローラとみのりはかつて入れ替わった経験からか、お互いの反応を気にしてる節があるのですよね。みのりもローラの『人間になりたいの?』という本心に切り込んでいきましたし。
純粋にみのりのことを気にしての行動、というのが良かったと思います。
『なんで文芸部やめたの?』の聞き方もすごく好きです。文芸部の本を拾っている最中に聞くというタイミングの良さ、純粋に気になったから聞くかのような声色の温度の絶妙さ、素晴らしかったですね。
…で、このローラなんですが。
確かに物語初期の彼女の態度を見れば『仲間を想って』という行動を取ることは一見考えづらく変化したと見るのが妥当でしょう。
でもその変化は決して
仲間のことを想えるようになったことではない
と私は思っています。
というか元々ローラは仲間のことは想える子だと考えています。
なぜなら1話においてグランオーシャンの皆のやる気が無くなった有様をみて『私にできることはない?』と女王様に聞いているからです。グランオーシャンの住人たちと仲良く歌っていた過去回想描写もありました。ローラにとってグランオーシャンの住人は一緒に歌って楽しむ仲間であり、彼らのやる気が無くなったら自分にできることを問うぐらいには想っているのです。
だからローラの変化は…
まなつたちが大切な仲間になった。
ということだと思います。
仲間、自分の心の領域の内側の人物とでもいいましょうか。ローラにとって仲間は気遣う対象であり、ローラの中でそのカテゴリーにまなつたちプリキュアや人間である学校の皆などが加わったんですよね。
変化したのは、ローラの中でのまなつたちの大きさだと思います。
『未来』
今回のお話でみのりの過去には決着がついたように思います。
ただ、一つ気になるのは先輩の指摘。
『みのりが経験したことが何一つ入ってない』という指摘。
みのりは本を読んで楽しいと思ったことを元に空想していたんだと思います。
ではもし今のみのりが小説を書くなら?
プリキュアやトロピカる部の活動で楽しいと感じたこと、その経験を小説にアウトプットできるんですよね。
だからまあ、せめて最終回ぐらいにポロッと『また書き始めた』とかやってくれないかなーとか思ってます。終盤に1話使ってもいいのよ。
おわりに
まなつがピンチ!?いいぞ!!
どんどんやりましょう!!!
来週が山場なことはもはやいうまでもないと思うので、最後は今週のローラでお別れです。
『まあそれがまなつの取り柄だし』と、自分がまなつのこと1番わかってるかのような感じで語るローラちゃん可愛いですね。