べぎログ-べぎの感想・考察-

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主にプリキュアシリーズの感想と考察

トロピカルージュプリキュア11話感想

今週は記事内容を大きく2つに分けて語っていきたいと思います。

今週のお話と今週のローラですね。はいそこ!いつもどおりだろとか言わない。

 

ではでは早速参ります。 

 

 

 

今週のお話

 

率直に単話での完成度が高いなーと思います。

ようやく部活ができるようになったトロピカる部というかまなつの久々の活動は他の部活も交えてのサンドアート大会。時期的には潮干狩りとかをやる海開きってところでしょうか?放送してる時期も5月ですし。

 

突然の雨からサンドアートを守るために海シーン冒頭から登場させていたパラシュートを使ったり、ゼンゼンヤラネーダの動きを止める手段として砂を水で固めるというサンドアートの製法をそのまま使ったり。前半パートの描写が後半に活きてきてるんですよね。

 

いま一番大事なこと、皆のサンドアートを守ること。まなつの根幹部分から生まれた行動でサンドアートが守られたことで結果的にサンドアート大会は大成功!参加したみんなも楽しんでましたし、いわゆる青春の1ページになったんじゃないかなーと思います。今までと違いトロピカる部メンバー以外も参加していたので、非常に有意義な活動だったように思います。

 

それにしても柔道部の『よくわからんないけどトロピカるぞー』発言が好きすぎます。こういうイベントで一番大事なこと。それは盛り上げに加担してくれる人、特に参加者にこういう人たちがいると凄く楽しくなるんですよね。ていうか皆ノリいいな。

 

あすかも最後にはトロピカるを使ってましたし、まなつのトロピカるの概念がみんなに伝わっていってますね。

 

今週のローラ

 

…ただその一方で。ローラは参加できていない。

 

サンドアート大会の企画が決まったときにあすかは『みんなでできるな』と言っていましたが、その参加できるみんなにローラは入っていません。あすかとローラが相性よくないからのいじめとかハブじゃないよ。人魚が表に出るわけにはいかないですから。

 

ローラも『みんなで頑張ったら?』と言っていましたが、そのみんなにも発言者であるローラは入っていない。

 

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出典 トロピカルージュプリキュア11話

 

みんなが楽しんでいるときも、ローラはポツンと離れたポッドの中から出ることができません。

 

 

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出典 トロピカルージュプリキュア11話

 

転んでもまなつは楽しそうにしている。そんな集まりに参加できない。

 

ジュゴンの尻尾も『私のほうがうまく作れるのに』と言っていましたが、ローラ文法…なんてことを使わなくても参加できないことに不満を感じているのは明白です。

 

 

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出典 トロピカルージュプリキュア11話

そのジュゴン含むサンドアートをまなつたちの楽しそうな声が流れているときに出してきたのも、その楽しそうな輪から外れている人魚ローラを暗に示しているようにすら見えてきます。

 

それを裏付けるかのように…。

 

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出典 トロピカルージュプリキュア11話

 

直後描かれるのはアクアポッドで撮った写真を複雑な表情で見ているローラ。

 

ローラは『寂しいとか羨ましいとかじゃないってば』とくるるんに言っていましたが、ローラ文法において『否定される事柄』は『ローラの本心』ですからね。

 

砂遊びなんてと言っていましたが、ローラが参加したいのは砂遊びじゃない。

 

みんなと共有できる時間です。

 

こういうローラの寂しそうな感じは2話でもありましたが、あのときとは問題の性質が逆です。まなつとローラのそれぞれの大事なものが重なってしまい干渉しあっていた2話と違い、今回はローラとみんなの時間が重なっていないことが11話における全てのローラの表情の根幹なんですね。

 

そういったローラの想いを察してかのまなつの行動が流石でした。お礼を伝えることでローラのアドバイスサンドアート大会を成功させる助けになったことを示しているんですね。ローラも参加してたんだよと伝えたいのかもしれません。

 

更に『今度はローラも一緒にやれる部活を考える』と言っていましたね。これも流石まなつだなあと思います。裏方スタッフとしての参加じゃなく、ガッツリイベントに参加したいもんね。

 

…そう思う一方で、それでも根本の問題は解決していないように思います。だって結局『ローラが参加できない状況』というのも存在するわけですから。

 

ローラが人前に出れずポッドの中という世界に押し込められている限り、みんなの世界とローラの世界が本当の意味で同じになることはありません。そしてそのときに世界の外にいるのはいっつも人魚のローラです。

 

ローラが外に出ても問題ない状況になってほしいなあ…と願ってしまいますね。

 

でも人魚のままではいてほしい。ローラがローラのままでみんなと時間を共有できればなーと思います。めっちゃわがままな話。ローラローラいいすぎてローラに似てきたかな私。

 

おわりに

 

今週もローラ回と言っていいのでは?ってぐらいにたくさんの魅力的な表情が出てきました。サンドアート大会という華やかな展開の裏で、ローラの内なる想いも描写していく。いわば光と闇、双方が描写されつつも単話としての完成度も高いというこれぞプリキュア!という話だったと思います。単話で展開しつつ布石も打っていくという。

 

今日のやる気がローラ担当のオーシャンブルーだったことも、今話で描写されていたローラの内なる想いは重要だということの証拠になりうるんじゃないかな。

 

次なる山場までまだまだ楽しめそうです。