べぎログ-べぎの感想・考察-

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主にプリキュアシリーズの感想と考察

ノケモノたちの夜 第57夜感想

戦いの前の静けさというか、初期の頃の雰囲気があったなーと感じた57話でした。

最終回前みたいな雰囲気を感じてしまったのは内緒です。単行本がもっと売れてくれれば良いのですが…面白いのになあ。

草の根活動は続けつつ、草の根活動の一環として今回も感想を書きます。

 

 

 

観光

 

ロンドンの名所巡り。当初の旅の目的は『素敵なものを教えて下さいね』ということでした。マルバスとの契約の対価として目を差し出したウィステリア、マルバスは見れない彼女の代わりに目の前の情景を伝えるのですよね。

 

列車での移動中に初めてそんなシーンが見えました。そんな初期の雰囲気を感じた場面でした。

 

 

気づき

 

ただ、その観光ツアーがあまりにも性急なんですよね。急にウィステリアを連れ出すわ説明も雑だわ、観光が『はいここはこんな場所!じゃあ次!』みたいな勢いです。名所紹介するときのマルバスの表情、ユニークで好き。

 

まるでなにかから気を逸らさせるかのように次々と名所を案内される。そんなマルバスの態度に触れたからこそ、ウィステリアはスノウに対して感じていた漠然とした不安が事実なんだと気づいてしまうんですよね。夢での予感をマルバスの気遣いが裏付けてしまった形

 

二人の外から見れば『そんな態度の急変はマルバスそりゃばれるやろ』と思うわけですが、マルバスは彼なりにウィステリアを気遣っての行動なわけで。自分を思いやるマルバスを見て気づくウィステリアといい、二人の関係がよくわかる一場面だったと思います。

 

相手への気持ちも、その気持ちを受けて察するのも。

どちらもとてもエモいです。語彙力が低下してしまうほどに。

 

契約以上のもの

 

マルバスとウィステリアの契約は目を対価に一緒にいるというもの。ストイックな大悪魔たるマルバスは大網に則り、契約以上のものをウィステリアに与えたりはしません。

 

それでも、マルバスは多くのものをウィステリアに与えています。正確には、ウィステリアが勝手に受け取っていると言ったところでしょうか。言い方めっちゃ悪いですが、本当にそうなんですよ。マルバスが何かを与えようと思わなくても、ウィステリアは『マルバスがそばにいること』で勇気をはじめ多くのものを得ているんです。

 

暗闇の中で、光を見れば安心できます。道標になります。

目が見えないウィステリアが『光』と形容することで、どれほどマルバスのことを想っているかがわかるんですよね。

 

やはり…この二人の関係性は素晴らしいなと思います。

55話では逆にマルバスのウィステリアへの想いが溢れていましたね。

 

おわりに

 

結局のところ、この作品はマルバスとウィステリアの物語であるわけです。そのことを改めて確認できた話だったなと思います。

 

こんなに尊い関係性の異種族の二人の漫画、どうしてもっと流行らないんだ…と度々思うわけですが。やはり知られてないのかな、とも思います。サンデーですし。

 

ノケモノたちの夜読者の皆様と感想を共有しつつ、ブログ記事を書くほどの熱量を持てる作品なんだということをこれからも伝えていきたいと思います。

 

人が沼にハマる姿を見ているのが、ある意味最大の宣伝だと思うのですよね。