ヒーリングっどプリキュア22話感想
さてさて22話。前回はのどかがアスミに教える回でしたので、今回はちゆですね。追加戦士が既存メンバー個人と大きく絡む話をするのも定番であります。
今回はプリキュアのメイン視聴層に向けた内容もあったなーと思います。そのあたりにも勿論触れます。
伝わらない想い
ラテのことを大切に思うあまり、過保護にも見える行動に出てしまうアスミ。愛情はわかるんですけどね、やりすぎに思っちゃいますね。あんなに毛布かけたら重たいですよ。たくさんもらって嬉しいのは笑点の座布団ぐらいのものです。結果的にラテに避けられるようになってしまったわけですが…。
相手を大切に想うが故の行動をしているのに、相手から避けられる。どこか古傷を抉られる話ですね。実体験の話じゃないし!誰しも経験あることだし!一般論だし…。
我々長く生きてる人間も悩ませる問題。生まれたばかりの彼女が解決できるのか?
さてさて、どうするアスミちゃん?
気持ちの名は
生まれたばかりのアスミちゃん。色んな想いが生まれることはありますが、その『生まれた想いの名前』がわからないのですね。なんせアスミちゃん0歳ですから我々が経験してることを彼女はしていない。
そんな彼女が感じたことに、一つ一つ丁寧にその名を教えてあげるちゆがとても素敵でした。消えてしまいたいとまで思ってしまった感情、食べたときの感情、足湯で気持ちよくなったときの感情。アスミが初めて体験する感覚に寄り添ってくれるのでとても安心感がありましたね。
同時に『好き』にも色々あるとわかって、更に学ぶ必要が出てきたわけですけども。
ところで…向こう側が透けて見えてしまうアスミを透明感ある美少女で誤魔化していたひなたにめっちゃ笑いました。透明感ってそういうことじゃないだろ!というツッコミも交えながら。
あと透明になって今にも消えそうなアスミが『消えてしまいたい』と言うのもちょっと体を張ったギャグみたいでおもしろかったですね。全然笑ってる場合じゃないんですけど。
好きならば
そんな彼女に自分の好きを見せるちゆ。彼女が好きでしょうがないものといえば…YES!高跳び!ハイジャンプ!ですね。失敗、負の体験。それをしてでも飛ぶ理由がアスミにはわからず、思わず聞きますが…。
結局の所は『好きだから』に決着するのですよね。高く飛べたら気持ち良いから、試合に勝てたら嬉しいから。そのために厳しい練習でも頑張ることができる。走ったりしてしんどい経験も、達成する喜びに比べたらなんのそのですよ。
これもやはりハイジャンプで一度苦しんだちゆだからこそ、重みがある展開になったなあと思います。前半では『好きはどういう気持ちか?』と好きそのものに対して理解を深め、後半ではまた違った形の『好き』を学ぶアスミ。一つ一つ、学んでいっていますね。
許されざる好き
好きがわかったアスミ。彼女の理解から、大事なことを子供たちに教えてくれます。
シンドイーネはキングビョーゲンのことが好き。それ故にキングビョーゲンが喜ぶ『地球を蝕む』という行動をします。中学校の部活を荒らして。皆が大好きなことをやっている場を邪魔して。
とはいえシンドイーネの行動も『好き』から来てるわけです。行動の動機は部活動に勤しんでいた生徒たちと同じ。ならば何故彼女の行動は良くないのか?
シンドイーネ=ビョーゲンズ=悪者だからでしょうか?
この論は『ビョーゲンズが悪である』という前提で成り立っているので、まずそこから証明しなければなりませんね。そもそも悪者のする行動すべてが良くないというのも、非常に乱暴な話です。
シンドイーネの行動の是非を『行動そのもの』にのみ注目して答えを出しているのが、今回のバトルパートです。
何故ダメなのか、その答えは他の好きを傷つけているから。
これ以上ない答えでしょう。
自分の好きのために、誰かの好きを傷つけ嫌な思いをさせることは良くないと言い切れると思います。
この問答で素晴らしいと思うのは、あくまでアースが許さないのは『好きを傷つけること』であり『シンドイーネの大好き』は認めている点ですね。好意そのものを否定するのではないんですね。好きが爆発してよくない行動をしている人がいたとしても、その『好きという気持ち』を否定しているわけではないのが優しいなと思うわけです。
プリキュアはざっくり低年齢女子をメインターゲットにしてるわけですが、その子達に『良くない好き』を伝えるメッセージがあるのではないでしょうかと思うわけです。好きにも色々ある。アスミにそう教えた回でもう一つ別の視点で『好き』を教える構成は素晴らしいと思います。ちゆたちではなく、この話で好きを学んだアスミが答えることにより説得力がありましたね。
悲しいことに…自分の大好きのために他者を傷つける人は大人にも存在します。そういう人たちにも届いて欲しいですね。まあ届くような人はそもそもそんなことしないという見方もありますが。
おわりに
今週…という表現はおかしいですね。今回は『好き』をメインに『苦しい』も知ったアスミちゃん0歳。来週…じゃなくて次回は『可愛い』を知ることになるのでしょうか。生まれたばかりの彼女が少しずつ物事を知っていく姿を見ていると、子の成長を見てる気分になりますね。
しかしダルイゼン、メガパーツを渡すとはとても太っ腹。まあ彼からすれば『仕事の効率が上がる』ほうが都合がいいのでしょうね。