べぎログ-べぎの感想・考察-

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主にプリキュアシリーズの感想と考察

クローズについて

一番好きなプリキュア(人物)は?

これほど答えるのに困る質問もないでしょう。

 

ですが…。

一番好きなプリキュアの敵キャラは?と聞かれたら、私は即答できます

 

 

 

Goプリンセスプリキュアクローズであると。

 ということで、本日はそんな彼の魅力について語ります。

 

ちなみに…Goプリのネタバレだらけです。言うまでもないことですが、一応。

 

 

 

 

彼の者、絶望の忠実なる下僕

 

彼のディスピアに対する忠実は絶対です。

ロックのように謀反を企てることもなく、シャットのように離脱することもありませんでした。二人と比較して『復活させて正解だった』とまでディスピアに評されたことも、彼の忠実さを示していると言えるでしょう。

 

彼が一度消滅することになった11話においても、覚悟を持ってプリキュアを倒そうとしていました。元々最後のチャンスでしたが、必死の懇願で再度チャンスを得ました。ディスピアは情けをかけるような人物ではありません。クローズに再度チャンスを与えたのも、彼の覚悟がそれに値するものだったからでしょう。

 

クローズの忠実さは主であるディスピアの態度が示していると言えます。

 

そんな彼にだからこそ、ディスピアは自身の消滅時に全てを託したのかもしれませんね。

 

彼の者、夢の理解者

 

そんな彼ですが…。『ディスピア以上に信じるもの』が存在した瞬間がありました。

 

それは47話。はるかに夢の世界を与えた回。

はるかの『プリンセス』という夢を叶えた世界。ここでは何もする必要はなく、ただ夢が与えられていました。『楽で幸せ』な世界に入れることで、はるかを夢の世界に閉じ込めるというもの。幸せな状況にある人間はその状況から抜け出そうとは考えづらい。ディスピアのエグさが出ていた策だったと思います。

 

ですが、はるかは抜け出しました。努力しないでただ与えられる夢など、夢ではないからです。

 

そして驚くべきことに…はるかが抜け出した際にクローズは『予感していた』というのです。主であるディスピアの策は、はるかの夢への想いには通じないと感じていたのかも知れません。この瞬間だけはディスピアよりもはるかを信じたとも言えるのです。

 

更に…47話においてはるかは『クローズの言葉』から『夢とはなにか?』のヒントを得ています。クローズは無意識ながらも、夢について核心をついていたのです。

 

敵であっても…いや敵だからこそ、敵が追い求めていたを無意識のうちに理解していた。故に起きた出来事が47話で描かれていたように思います。

 

彼の者、絶望…だが

 

50話において、ディスピアから全てを授かった彼。いわば絶望そのものであり、彼を倒さずしてこの物語は終わらないかに思えました。

 

ですがそうはならなかった。フローラが絶望の存在を認めたからです。

フローラは絶望を否定せず、絶望の存在を肯定した上で乗り越えていくと。夢と絶望はどちらかだけが残るものではなく、どちらも存在するものであるという答えを出しました。

 

お互いの存在を賭けて戦っていたのに、相手が自身の存在を認めた。何のために戦っているのか?敵であるフローラの態度に、一度はクローズも激昂しましたね。

 

…でも、彼も同じように理解しているはずなんです。

夢がある限り、絶望は消えない。』と言っているんですから。絶望の存在は夢があってこそだと言っているようなもの。そして最後には『夢は消せない』と悟り、夢の象徴であるキュアフローラとの戦いは終わらないと思い『やってらんねーぜ。』と去るわけですね。

 

彼はディスピアから全てを授かった絶望であり、物語上です。

 

一方で…。

 

彼はフローラとの戦いでを理解した、理解者です。

 

敵。けれど夢を理解した。だからといって味方になったわけではない。相反する存在であり続けながら、相反するものを理解した。単なる和解という言葉では片付けられない事象です。

 

この絶妙さ、これが彼に惹かれる理由です。

 

終わりに

 

Goプリンセスプリキュアプリキュア作品の中でも1,2を争うほど好きな作品なのですが、その要因としてはやはりクローズの存在が大きいのだろうなと思います。フローラ対クローズを通じて描かれる夢と絶望のお話がとても刺さりました。

 

Goプリを見たのは全作品中5番目、シリーズを見ていけばこれを超えるキャラが出てくるか?と思ってましたが、私にとっては結局出てきませんでした。

 

シリーズが続いている限り可能性はあるわけですが…。

そんな可能性に期待しつつ、心のどこかでは『超えてほしくないかな』と思っている私がいるんだろうなと思います。