べぎログ-べぎの感想・考察-

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主にプリキュアシリーズの感想と考察

スタートゥインクルプリキュア48話感想

私にプリキュアシリーズに出会うきっかけをくれた作品。

私がシリーズで最初に見始めて、シリーズで最後に見終わる作品。はいツッコミ禁止。

そんな作品がいよいよクライマックス。クライマックスにふさわしい出来でした。

 

心が溢れたスタプリ48話。感想を残します。はっじめーるよー。

 

 

 

 

 

暗闇の中で宇宙は輝く

 

へびつかい座のプリンセスを消す儀式をするということは、フワが消えるということ。そんな儀式を5人が望めるわけがない。フワの決死は、皮肉にもフワを想う気持ちに阻害されてしまったのです。好ましい感情が好ましい結果を呼ぶとは限らない。この不条理さ、好きです

 

へびつかい座に飲まれた暗闇の中で、優しくも静かな声色で会話する5人。まず、この演技の声色が凄い。まだ存在は消えてないけどそれも時間の問題、このまま消えゆくのを待つのみという雰囲気を感じます。守りたいと思っていたフワを守れずに、このまま終わるのです。

 

 …いえ、まだ終わっていません。

フワがいなくても、フワを想うひかるのイマジネーションは残っている。フワを想うひかるの中に宇宙は存在している。みんなの中にある宇宙、それもフワの守りたかったもの。フワの守りたかったものを守ることで、フワの想いは存在し続けるのです。なんか哲学的ですね、私がそう感じるだけでしょうか。

(あとMHとSSを感じました。) 

 

へびつかい座に飲まれた宇宙を元に戻す力、それはpre-cureの力。

いつものように、歌う。暗闇の中、しっとりした曲調なのがとても好き。

 

きらめく星の力で、憧れの私描くよ。

 

その詞の通り、輝くイマジネーションの力でなりたい自分=元に戻すためのプリキュアへの変身。ここで通常スタイルを介さず一気にトゥインクルスタイルになったのも、トゥインクルイマジネーションで描いた憧れの私だからなど考えると面白いですね。

 

何よりも…

5人で星を描くのが絵面も動きも素晴らしすぎました。

 

いつもと違う歌い方や描く動きなど『変身バンク』があったが故に映える、最高の変身だったと思います。

 

プリキュアとプリンセスの戦闘

 

さて、プリキュアといえば女の子が戦う作品でもあります。玉座で佇むラスボスとの戦闘は最終フォームで。戦闘前の対峙するシーンがまず好きです。

 

その戦闘描写は凄まじく、プリキュア達の基本技が超強化されて放たれています。ラスボス対全開のプリキュア、放送中は実況すら放棄するほどに魅せられ見入っていました。まさにキラやば。

 

全体的に凄かったですが、特に好きなのはセレーネの弓。創造した腕で放つことでスケールアップしているのがとても良い。あとバトル前半で邪悪な笑みのへびつかい座とララが1画面に収まる1カット、とても好き。そしてスターパンチ。

 

そして、プリキュアシリーズでは『戦い』とは『対話』でもあります。ド派手さにだけを奪われることなかれ、両者の声にもを傾けるとより楽しめます。

 

プリキュアとプリンセスの対話

 

たとえ最初は借物だったとしても、そこから育てた個のイマジネーションはもはや借物ではない。それぞれ違う輝きを持つまでになりました。そして、それこそがへびつかい座のプリンセスが忌むべきモノ。

 

違いは歪みを生む。

違う種族にカッパードは星を奪われ、周りと違うからテンジョウは蔑まれていました。歪みなき宇宙に違いは必要ない。違いは争いの元です。違いは負を生みます。

 

しかし、違いが生むのは負だけではない。違うからこそ、相手を知るのが楽しい。理解しあったときに嬉しい。輝きという凄いところを見るのが楽しい。違いは心にキラやばを生みます。

 

何もない世界か、正負両方ある世界か。

 

どちらがいいか?選ぶ答えは分かりきっています。そして、皆のイマジネーションを重ねるという絵。最高でした。

 

 

ちなみに…。

へびつかい座のプリンセスの意見はいわば『多様性の否定』であり、彼女の意見だけは認めてしまうとテーマが根幹から崩れる。多様性を認めることは全てを認めるということではないと私は思います。

 

意見は否定したかもしれませんが『へびつかい座のイマジネーション』つまり存在は否定していません。難しいバランスですね。

 

このあたりは解釈や思いが割れそうだなあと思いますが、折角なので恐れを乗り越えてあえて書きます。

 

機械が放つ言霊の重さ

 

戻ってきたフワ、しかしそれは最初の姿。レベル1のフワをなんとか戻したという感じでしょうか。これまでひかる達と過ごしてきた記憶は無くなっているように見えた。そこに響くのはAIさんの声。

 

『忘れるはずがありません』

 

30話、AIさんはマザーAIを正常化するために自身のデータを使った上で均一化をしました。それにより全ての記録は消えるはずでしたが、ララたちのことは覚えていた。ありえないと評される出来事を起こした彼女

 

そんな彼女の言葉だからこそ、重さがある。奇跡を信じたわけではない。フワの中にも自分と同じように残っているはずだと、自身の中に残っていたものの強さを信じたのです。

 

この最終盤において、中盤の出来事が絡んでくる展開。その構成力に脱帽です。

 

言葉なくして言葉で語る

 

フワを戻すためにスターカラーペンダントの力を使いました。故にもう宇宙にはいられない。ガルオウガはワープの力を『帰還』に使ってくれます。これもまた、1シーンでガルオウガの意志を示していていいなあと思います。

 

さて、スターカラーペンダントには『宇宙服』と『翻訳』の機能がありました。異星人であり地球とは違う言語で話すララと不自由なく話せたのはこの機能のおかげ。力がなくなれば、話すことすらかなわないのです。

 

…でもそれは、変わらなかった場合の話。

 

ララは作中一番変わったかもしれません。信じるのは理論だけだったのがそれ以外の要素を考慮するようになったり、AIに頼らず自分の力で学ぶようになったり。そう、学んだ。地球のことを。

 

ひかる、ありがと。

 

ペンダント無き状況で拙いながら放ったこの言葉の意味。

サマーン星人のララが地球人の言語で話したもの。学んだ故に話せた言葉。

 

以前からこのシーンは予想していましたし、ペンダントの力が失われた時点で来るだろうなと構えることができました。ですがそれでも泣いた。ガッチガチに固めていたガードを最高の右ストレートでガードの上からぶち破られた気分です。なんですか、この破壊力。

 

一方、ひかるはサマーンの言語は知りません。ですがサマーンの挨拶は知っています。

 

言葉が伝わらない中、

学んだ言葉と知った文化で言葉を交わした二人。

 

私の心の宇宙に溢れたもの、これがキラやばですね。

 

 

終わりに

 

ということで、48話は素晴らしい展開だったと思います。あと1話なにするんだろうと思いつつ、最後まで見届けたいと思います。

 

いよいよ、私の心を初めてのプリキュアロスが襲うのか…?

反応をお楽しみに!