ノケモノたちの夜 第6夜感想
ウィステリアをめぐるマルバスとスノウ。
そしてウィステリアの出す答えが注目な第6夜です。
血の繋がりか、契約か
いろいろな思惑が絡み合った複雑な関係性の三者です。
スノウからすればウィステリアは大事な家族で守りたい存在。一方で悪魔は滅すべき存在であり、ウィステリアから悪魔を守りたいと考えるのが非常に自然な流れ。ましてや悪魔の契約者も騎士団の抹殺対象になるのなら、ウィステリアを守るためにもなんとかしたいと思うのはそりゃそう…って感じなんですよね。大事な妹が悪い男に誑かされてるかもしれないから正常な判断を取り戻させたい!って感じですか、言い方よ。
マルバスからすればウィステリアは大網に背いてまで助けようとした存在。一方で家族は『血の繋がりがある』というだけで、自身からウィステリアの感情を奪ってくる存在なんですよね。まあ要はこの大悪魔は嫉妬しているわけです。妙にムキになったり、イラッとするのがその証。ウィステリアのこと大好きなマルバスさん可愛いですね。
はてさて、ウィステリアにとってはどちらが大事でどちらを選択するのでしょうか?
選ぶのは
じゃあウィステリアにとって二人はそれぞれどうなのか?って話なんですけど、まずどっちも大事なんですよね。その優劣はつけられない。彼女にできるのは『どちらかを選ぶ』というより『どちらも無事でいてほしい』ということだと思います。
だからこそスノウに『見逃して』とお願いしたわけですよね。マルバスはスノウに能動的に危害を加えるつもりはない一方で、スノウは明確にマルバスを排除しようとしているからです。なのでこの結論は『マルバスを選択をした』というより『両者が傷つかない選択をした』と見るのが妥当なのかなって思います。その結果、スノウに折れてもらうほかなかったわけです。
一見、片方を選んだかのように見えて両方を取っている。なんとまあ欲張りな答えだろうかと思います。いいですね。
…それにしても、二人を止めるときのウィステリアがめちゃくちゃ可愛いんですよね。
『これ以上争うなら、二人ともものすごく怒ります』ってワードチョイスが本当に好きです。怒りますって、いや可愛いな?以外の言葉が出てこないんですが。このあたりのセリフのチョイスがやっぱり好きだなあって思います。
契約の意味
ウィステリアは『契約だからとか関係ない』と言っていましたが、そうなんですよね。そもそもこれ論理展開として『契約してるから一緒にいる』のではなく『一緒にいたいから契約した』ってのが正しいんです。悪魔の大網があるから、契約なしでは一緒にいることができないんですね。
そこらへんマルバスさんは勘違いしてるのでスノウ相手に『契約のほうが家族よりも繋がりが強い』とかドヤ顔してるの、ちょっと面白いですよね。
おわりに
序盤にして既に2つの巨大な関係性が大喧嘩しているっていうめちゃくちゃ面白いことになってますね。なんだこの作品、いいぞもっとやれ。
改めて読み返してみると、そりゃ自分ハマるわな…と思うばかりなのでした。
おしまい