べぎログ-べぎの感想・考察-

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主にプリキュアシリーズの感想と考察

ぼく勉 マルチエンドと作者に対して思うこと

読者を騒がせているぼく勉のマルチエンド。それに対しての私の想いを記します。

肯定派、否定派。立場に関わらず理解していただけるよう書いたつもりです。どうぞ最後までお楽しみください。

 

 

私のスタンス

本題に入る前に『私がこの作品をどう読んでいたか』を話します。好きなヒロイン、漫画の読み方も千差万別な中で同じ答えは出ません。私の想いを導きだす『私の考え』をまず知っていただきたいのです。

 

私は5人のヒロインのうち、文乃が特に好きです。次点であすみ。また、真冬先生エンドになれば『禁忌ギリギリだな』と興味がありました。好きなのは文乃、最近の言葉で言えば『推し』ですか。ですが『成幸に文乃を選んでほしいか』と聞かれれば、どちらでもいいです。

 

あらゆる作品において、私が重要視するのは『作品の質』です。文乃がフラれることで作品の質が上がるなら、好きなヒロインですが結ばれなくてもよいと思っています。

 

あらゆる作品において、私が見たいのは『人物の選択』です。そして一番重要視するのは『主人公がどういう答えを出すか』です。選択肢の中から一つを選ぶ。それは『他の選択肢を選ばない』と同義です。複数ヒロインがいるラブコメには、主人公に選ばれないヒロインが存在し、そこにもドラマや悲しみがある。ですが、その悲しみを産み出してでも選んだ答えだからこそ『重み』が出ると思います。失うものがある故の重さです

 

そしてそれは『作者がどういうものを見せたいか』と同義であります。主人公を描くのは作者なわけですから、そこには『作者の想い』が必ず存在する。作品を通じて、私は作者に触れるのです。

 

なんかポエミーになりましたね。まあ、大体そんな感じです。

 

マルチエンドについて


マルチエンドのメリットはなんといってもヒロインが結ばれる姿を全員分見れる点でしょう。推しヒロインがいる方の中には推しが結ばれる結末を望む方も当然います。各ヒロインのエンドが存在していれば、そのような方々の望みを全て叶えることができる。幸せな世界です。

 

マルチエンドのデメリットは『選択の重さ』が軽くなる点でしょう。勿論、それぞれのエンドの過程で人物は必死で考えている。ですが、別エンドになればそれらは全て『なかったこと』になるのです。

 

もうおわかりでしょうが、私はぼく勉のマルチエンド否定派です。


文乃は自身の気持ちを秘めたまま成幸をうるかの下に送り出しました。その行動を選択するまでに、どれだけの思考や感情が彼女を巡ったか。あの行動にはそれらが全部乗っています。計り知れない重さがある選択なのです。『文乃凄いな…』と感じさせられた重い想い。それらが次のエピソードでは『なかったこと』になるんですよ。

 

正直『は?』となりました。あの行動に心動かされた私はなんだったんだろうと。

別エンドにより『ヒロインを選ぶこと』の重さがゼロになる。だから私はぼく勉のマルチエンドは否定派です。

 

漫画のマルチエンド、ギャルゲーとの違い


ここまでの話だと『マルチエンドそのものの否定』になりかねませんね。

ですがギャルゲーなどのマルチエンドは否定するつもりはありません

 

ギャルゲーはそもそもマルチエンドが前提のものが多いのです。ゲームを買う前に調べることができます。『いやならやるな』ができるわけです。今回のぼく勉のように『うるかエンドだと思ってたらマルチエンドだった』と明かされる事態とはまるっきり別物です。

 

また、ギャルゲーにおいては『どのルートに入るか?』は主人公=プレイヤーである我々にある程度の裁量があります。ところが、漫画においては主人公の行動決定に読者=我々には一切手出しができません。手を加えられるのは作者のみです。漫画の読者は作者の提示したものを享受するしかない。だからこそ、私は作者の描くもの描きたいものがどうなのか見たいわけです。

 

ぼく勉の場合は『どのエンドかは読者次第』となっています。作者がどういうものを見せたいか、それが知りたくて作品を読んでいた私にはこれは到底受け入れられません。主人公の行動決定が可能なのは作者のみの媒体で、作者が主人公の結論を決めないのは漫画としてあってはならないとさえ思います。

 

作者の想いとは


『漫画の内容』では残念ながら作者を知ることができませんでした。ですが、マルチエンドという形式を取ったことで、作者である筒井先生の想いを見ることができます。

 

あくまで私の印象ですが、筒井先生はとても優しい方です。

私のツイッターのFFさんの中には先生へのリプライに先生から返信頂いてる方もいらっしゃいます。『筒井先生にファンレター届いたのかな…』という呟きに対しても『届いてましたよ』とリプライをされるほどです。アンチのリプライにすら、リプライで対応されたこともあるようです。菩薩かなにかでしょうか。

 

そんな優しい筒井先生だから、読者全員を喜ばせたかったのだと思います。基本的には『ラブコメ読者』は『自分の推しヒロイン』が『結ばれてほしい』と思うものなんだと思います。ですが主人公がヒロインAを選んだのであれば、ヒロインBやヒロインCを選んだ読者は悲しむことになります。

 

解決するには簡単です。ヒロインが結ばれるエンドを全ヒロイン分作ればいい。そう、マルチエンドです。筒井先生が優しすぎるが故に、マルチエンドが生まれたのだと思います。

 

そういった筒井先生の想いはとても素晴らしいと本気で思います。まあ、あくまで推測の域を出ないんですが。

 

今後のスタンス

 

漫画のマルチエンドは否定派。

マルチエンドの形式をとった筒井先生の想いは肯定派。

 

このようなまとめになります。では今後、私はこの作品とどう向き合うか?

結論から言うと、連載を読み続けます。残りのルートも全部読みます。

 

アレコレ言いましたし、現在はマルチエンドに対して否定の立場です。ですがどうこう言ったとしてもマルチエンドを筒井先生が選んだわけですからマルチエンドであることは変わりません。どうせ変わらないなら、マルチエンドによって描かれる『各ヒロインのエンド』がどのようなものになるかを見たほうが得です

 

どうやったってマルチエンドは変わらない。

 

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出典 遊戯王5D's 33話

 

だったらこれで満足するしかないんです。 

 

もしかしたら、素晴らしいエンドを見れば気持ちが変わるかもしれませんしね。