べぎログ-べぎの感想・考察-

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主にプリキュアシリーズの感想と考察

【ブラックベル家編】ノケモノたちの夜4巻感想

 さて、前回記事から大変長らく時間が経ちましたが。

 

いよいよブラックベル家編佳境、4巻収録分の感想に行きたいと思います。36話までのネタバレが含まれますね。

 

3巻収録分の感想はこちらです。

 

begilog.hatenablog.jp

 

 

で、この4巻感想を書きながら思っていたのですが。

 

28話が濃密で本当に素晴らしいんですよね。

なので、この話だけ別で感想書こうと思います。近いうちにね!嘘じゃないよ!

 

そんなこんなで早速行きましょうね。

 

 

 

 

”護られる”から”共に立つ”へ

 

ブラックベル家編はダイアナとナベリウスも中心ではあるのですが、やはり特筆したいのは主人公ウィステリアの変化です。

 

ブラックベル家編でウィステリアは完全に主人公に成ったと思っています。

 

というのもウィステリアって盲目かつ人間の少女と、戦闘力としてはあまりにも非力。彼女が戦うことはなく、基本的に鉄火場はマルバス頼み。一緒に生きるというのがマルバスとの契約ですが、どう考えてもマルバスに護られている立場で対等ではないんですよね。

 

とても辛辣な言い方をしているなーと私自身も思うのですが、しかし事実であり現実。特に戦闘時には足手まといなんですよね。

 

そんな後ろで護られているウィステリアでしたが、今回はマルバスと共に戦うことになりました。

 

限定解臨。膨大な魔力を制御し、一部分を解放する秘技。

 

魔力をその身で制御するというのは体に負担がかかるようですが、それによる痛みすらウィステリアは耐えてみせました。年端も行かない少女が、戦いだから傷つくのが当たり前と覚悟を決めて戦っている。彼女の心の強さ故です。

 

ただ後ろで護られていたウィステリアが

背後でマルバスを支える存在となった。

 

護られるから共に立つへ。

護られるから一緒に戦うへ。

 

護られるヒロインから、

共に戦う主人公へ。

 

 

ウィステリアが真の意味で主人公に成った。そんな瞬間だったと思います。

今までは主人公じゃなかったんかい!とかそういうことをいいたいんじゃないですよ!

 

ざっくり表現するなら覚醒でしょうか。まさに王道の展開ですよね。

 

 

刹那の大きさ

 

ダイアナとナベリウスの関係性はとにかくエモい。

悪魔と人間の違いが盛り込まれていますね。

 

家族を全員失ったダイアナにとって、精神的にも支えとなっていたのがナベリウスでした。ですがそれで『家族を失った喪失感』がうまるわけではない。家族全員を生贄にナベリウスを召喚しても、ナベリウスが家族の完全な代替にはなりません。家族は家族、ナベリウスはナベリウス。ダイアナの中での意味がぜんぜん違います。

 

ダイアナの中に失った悲しみというのは消えることなく存在していて、だからこそナベリウスに質問したのですよね。永遠とも言える生を持つ悪魔なら、周りが先に死んで残される者の気持ちがわかるかもしれないと思ったからです。

 

でも、ナベリウスにはそんなものはなかった。

それによりダイアナは悪魔と人間の違いを認識してしまったんですね。

 

ダイアナとナベリウスが共に過ごした時間は同じ長さでも、ダイアナにとっての長さナベリウスにとっての長さは違う。自身が心地よいと楽しいと感じた時間は、ナベリウスにとっては刹那的ですぐ忘れられてしまう程度のもの。

 

決して自分と同じようには感じていない、そうダイアナは思ったわけです。

 

 

…だと思っていたのに。言い聞かせていたのに。

 

自身の生命の危機に怒り、哭き、厄災解臨に至ったその姿を見て。

 

ナベリウスの中での自分が、自分が想像していた以上に大きかったことを認識したんですよね。

 

 

相手の本心を、その姿を見て気づいたという展開。

 

色々表現を考えたんですけど、やはりこうしか言えません。

 

エモい。語彙力の崩壊ですね。

 

まあどういうところがエモいのかは散々述べたので、いっかなとか思います。

 

 

おわりに

 

このブラックベル家編からノケモノたちの夜を強く推し始めたのですが、そうなるだけの熱量があったなーと改めて認識します。ダイアナとナベリウスの関係性も描きながら、ウィステリアの強さも描いたブラックベル家編。本当に素晴らしいエピソードだったと思います。

 

このあたりからバトル展開が増えているのですが、この作品におけるバトルというのは戦闘力的な強さの表現というよりも絆や思いの強さの表現なんですよね。

 

いろんな絆や想いを描いてるこの作品。

 

これからも応援し続けていきます。