べぎログ-べぎの感想・考察-

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主にプリキュアシリーズの感想と考察

ひろがるスカイプリキュア5話感想

ふたりがプリキュアになるお話。

 

 

 

初めての

 

冒頭、強制変身解除するほどのダメージを受けるプリズムという悪夢を見るソラ。あとでガッツリ語られますが、要はましろに傷ついてほしくないということ。そのためソラはスカイランドに帰ることを焦ります。スカイランドに帰ってエルを送り届けさせすれば、ましろが戦う必要はなくなるからです。

 

思わず『カバトンは簡単にトンネルを開いたじゃありませんか』と『なんですぐにできないんですか!?』と言わんばかりのことを言ってしまうということで、相当焦ってますね。そのあとすぐハッとしてごめんなさいできるのでめっちゃいい子なんですが。

 

さて、ソラがそこまでましろに傷ついてほしくない理由は初めての友達だから。幼い頃にヒーローに憧れて以来、ヒーローになることを目指して友達とかそれ以外のものに見向きもしませんでした。故に初めてできた友達、初めてだからこそ傷ついてほしくない。だからそもそも戦ってほしくない、傷つくリスクが発生してしまうから。

 

出典 ひろがるスカイプリキュア5話

 

ワガママであることを自覚しながらも、それでも友達が傷つくのは絶対に嫌だと声を荒げるソラ。いやもう、初めての友達だからって感情がデカすぎませんかね…。大好物なんですけど、そういうの。ここ名演すぎました。ソラの耐えられないって気持ちが声に乗っていてよかったです。

 

今まで友達いなかったらこそ、初めてできた友達によって喜びと同時に恐怖も感じるってのがめちゃくちゃおもしろいですね。物事の二面性がよく出ていてとても好きな展開です。そうなんです、一度知っちゃったら今度は失う恐怖とかも出てくるんですよね。そこから『だったらひとりでいい』と振り切れるのがもう、好き。

 

出典 ひろがるスカイプリキュア5話

 

横断歩道で隔てることで二人の距離を表現する演出。

 

ソラから離れたことによって生まれた二人の距離。

二人が並び立てるときは来るのでしょうか?

 

どうでもいいけどこれ、ソラが歩き出したときにましろ歩き出さなかったの?とかめっちゃ細かいこと気になっちゃいました。

 

 

ふたりは

 

友達であることが理由ならば、友達であることをなくせばいい。

ましろが提案したのは二人の関係性の再定義

ソラと一緒に戦えるようにするために新たな関係性を見つけようとします。

 

ですが結局、無理だったんですよね。

パートナー。相棒。コンビ。ペア。恋人。夫婦。

ましろにとってのソラはやはり友達以外にないわけですよ。

 

ましろのことを友達だと思うから、心配だし傷ついてほしくないと思うのと同じく。

ソラのことを友達だと思うから、心配だし助けたい。いやマジでこの子は心配。

 

二人が取った行動は違えど、想いは同じってことにソラが気づくわけですね。

 

出典 ひろがるスカイプリキュア5話

 

先ほどの横断歩道とは逆の構図。

エルの位置は同じ、違うのはソラとましろの位置。

距離を取ったソラと手を取ろうとするましろ

 

位置が違うのが二人だけのため、二人の違いがより映えるような気がする。

そんな演出。

 

この後にスカイの固く握られた拳が緩むのも、意固地になっていた心が緩むのを表現してるようで良かったですね。

 

 

そして、名前呼び

変身後の姿である『プリズム』で呼ぶことで、ソラが一緒に戦うことを受け入れた感じがして非常に良かったです。名前呼びはこれまで二人の距離が縮まったことを示すために使われていたように思いますが、ここでは相手を『一緒に戦うヒーロー』として認めたという意味合いで使った感じがしますね。ましろはソラに守られるだけの存在じゃないってことです。

 

出典 ひろがるスカイプリキュア5話

 

やっとその名前で呼んでくれたね、と冗談めかしていうのがウィットに富んでて凄く好きです。

 

はー、尊い

 

 

決意か、呪いか

 

今回、ヒーロー手帳は新たな側面を見せたように思います。

 

2話でソラは『あの人みたいになりたい。そのために毎日トレーニングをして、ヒーロー手帳をつけて』と語っており、1話ではヒーロー手帳に記されていることを実行してランボーグにも立ち向かっており非常にポジティブな要素を含むものでした。自身の理想のヒーロー像を記した、いわば夢の道標のようなもの。

 

ところがその『つけて』の描写がどうもポジティブでもないなあと思いました。

レーニング中、友達が談笑しながら歩いている姿を見たソラ。それ可愛いと腕につけたアクセを褒め称える人たち、他方自身の腕は可愛いとは程遠い傷だらけの腕。

 

そして、まるで羨む心を押さえつけるかのごとく。

一人ぼっちを恐れない、それがヒーロー。

と記します。

 

カバトンの前で高らかに宣言したときとは裏腹に、記入するときのソラはまるで自分に言い聞かせるかのような声色でした。

 

ヒーロー手帳は理想のヒーロー像を記したものというよりも、ヒーローを目指すこと一直線のルートから外れそうになったときに自身を戒め、目の前のことに流されないための心の決意を留め置くためのものに見えたんです。ダイエット中の『今食べたら豚になるぞ』とか、受験生の『今勉強しなかったら落ちるぞ』とかそういった自身への発破を記したものなのかなと。

 

そしてこういう見方をすると『空の上を怖がっていてはヒーローは務まらない』というのも『空の上を怖いと思ったけど、その恐怖を乗り越えるための決意をヒーロー手帳に記した』というように捉えられると思います。

 

こうして考えるとヒーロー手帳は決してポジティブなことだけではなく、いわばソラが自身にかけた呪いのようなものでもあるよなあと思いました。彼女の生き方がヒーロー手帳に縛られているような窮屈さを感じてもしまうんですよね。夢に一直線というのは非常に好ましい姿なはずなんですが、ところどころに闇を感じずにいられません。

 

なんといいますか、自分が恐怖を乗り越えるときに『ヒーローだったらこうだ』という理由付けをして乗り越えてるのが少し怖いんですよね。ヒーローになることが目標になってるが故に、ヒーローを目指して頑張ってるなあという側面もある一方、めちゃくちゃ『ヒーロー』に依存してるのが怖いなあと。ヒーローだったらこうするよ、で簡単にコロッと騙せそうな感じもしちゃうんですよね。

 

無限に広がる青い空。

それは今後のソラの生き方の理想を表現しているのかもしれません。

 

もっと自由に、楽しく目指していいんですよ。ソラちゃん。

 

 

…まあ、そういう巨大な闇を抱えてそうなところも大好きなんですけどね。圧倒的光を放ち圧倒的闇を抱える、そのギャップ持ちはキャラクターとして強すぎますよね。魅力満点。

 

おわりに

 

最後に記したふたりはプリキュアという特大なファンサービス、でもふたりともプリキュアであることを認めたという風に見るとただ雑にファンサービスをしたわけではなく展開に沿った上でファンサービスを乗せてきた感じがして完成度の高さを感じます。

 

また、新しい手帳は以前のヒーロー手帳と違い友達のことだったりも書かれていてより明るいものになってるなあという気もします。

 

次回は学校が出てくるそうですが、ソラが学校にいけるかも注目ですね。

 

最後にいつものやつです。

 

出典 ひろがるスカイプリキュア5話

 

ついに距離がなくなった。

 

でもこれ、ましろが差し伸べた手をソラが解けた拳で取って強く握ったと考えるとめちゃくちゃいいシーンなんですよねー。