べぎログ-べぎの感想・考察-

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主にプリキュアシリーズの感想と考察

トロピカルージュプリキュア38話感想

待望のあすかと百合子の回。

そしてあすかの個人回最後の1話となります。

 

次回はさんご、続いてみのりもあるのかなあと思いながら。

まずはあすか回の感想です。

 

 

 

 

あすかの進路

 

冒頭、壁打ちあすかに挟まる回想シーン。

 

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出典 トロピカルージュプリキュア38話

 

進路希望表が出てないと先生から電話があったため、お父さんとあすかが会話しているシーン。あすかの進路希望表は空白のままですね。

 

…先に謝っておくんですが、このシーン何故か笑ってしまいました。いやすいません、何故かといいましたが理由はわかっているんです。晴れ乞い、晴れ男という超弩級インパクトを持って登場したあすかのお父さんが普通に進路の会話してるシーンがなんか面白いんですよ。あ、普通にお父さんできる人なんだ…みたいな。めちゃくちゃ失礼ですね。

 

ただ、あすかが行きたい進路はあります。

フェニックス学院でテニスをしたい。

 

明確に行きたい学校があるのに進路表に書かないのは『受験で入れる成績ではない』そして『スポーツ推薦も望めない』という点で入学が難しいからってことなんでしょうね。

 

でも、壁打ちっていう練習をしてることからテニス自体には未練があるんですよね。別にあすかはテニスが嫌いになってやめたわけではないですから。

 

やりたいことをやるために障害がある状況に対して、あすかは向きあうのか?

そこがまず軸かなーって思います。

 

 

フェニックス学院にて

 

白鳥百合子さんは生徒会長を引退、その姿にあすかのトロピカル部引退も頭をよぎります。部活は引退式あるのかな?→だったらやろうよ!というまなつの企画力の高さ、流石です。今一番したいことに忠実な子ですからね。

 

…ですが、これは悪い面もあり。引退式で何をするか調べに来た図書館で今度は『高校』が気になる→じゃあ見に行こうよとなる。おいおい引退式の話どこいった??あっちこっちに話が行く。まあそのおかげでフェニックス学院に場所が移り、本筋のあすかと百合子の話に持っていけるわけですが。こういったストーリ展開の面でもまなつの特性は助かりますね。

 

そしてフェニックス学院にて、テニス部で練習中の百合子と出会うわけですね。推薦入学の候補なので体験入部中の百合子に比べると、まなつたちはなんでここに?となるので百合子の『あなたたちこそなにをしているの?』という疑問はごもっとも。

 

それに対してのあすかの返答。

 

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出典 トロピカルージュプリキュア38話

 

まなつたちが』学校を見たいというから。これ声聞くと明らかに『まなつたち』の部分を強調していて『演技力やば…』となりました。あすかは『私が来たかったわけじゃない』と主張したいんですよね。でもそんな強がりは百合子にはお見通しなわけで。

 

そしてあすかを挑発し、あすかと百合子の試合へ。

 

いよいよ因縁の決着です。

 

あすかと百合子

 

この試合で自分が負け、あすかの方が優秀な選手だと判断されたらあすかに推薦枠を譲る覚悟がある。試合前にコーチに話す百合子。

 

きっとこれが本心なんでしょうね。生徒会長は恐らく成績が良いので進学校でもあるフェニックス学院には普通に受験で入れる。一方であすかはスポーツ推薦で入るほうが可能性が高い。ふたりともフェニックスに入り再びダブルスを組む最も確率の高い方法なわけです。…つまり百合子は『あすかは受験ではフェニックスに入れない』と思っているわけですけど。

 

そしてそれは『百合子はあすかとテニスをしたい』という気持ちの表れなんですよね。過去の騒動、あすかを守りあすかとダブルスを続けるために棄権という選択をしました。たとえ理不尽や不条理であっても、あすかとのダブルスを続けるためなら耐えられるし我慢できる。百合子はそういうタイプです。

 

でもあすかはそうじゃなかった。理不尽や不条理は断固として許せず、筋が通っていないことに対しては筋が通るように戦う。胸を張ってダブルスを続けられるように。

 

理不尽や不条理に対して。

戦う攻撃的なあすか耐える守備的な百合子

 

『あの試合さえ棄権すればずっと一緒にダブルスを組んでいられた』

『だったら棄権じゃなくて一緒に戦ってほしかった』

 

どっちが正しいというより、物事に対しての向き合い方の違いですよね。ふたりともダブルスは続けたいという想いは一緒なのに、向き合い方の違いで生まれた不和は試合を通じて本心をさらけ出すことでようやく解消されたんじゃないかなって思います。

 

結局、不和を解消するには腹割って本音をぶつけ合うしかないんですよね。

 

仲間

 

あすかがテニス部をやめたのは、仲間に対しての感情が要因。そして仲間に対してのあすかの感情を変えてくれたのはトロピカル部。一緒に過ごすうちに仲間も捨てたもんじゃないとなったわけですね。

 

だからこそ、

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出典 トロピカルージュプリキュア38話

 

あすかは試合を放棄してラケットを置くわけです。

 

推薦が取れるかもしれない目の前の試合よりも。

仲間が大切だとなるわけです。

 

かつては逆に試合のほうが仲間よりも大きかったためにテニス部をやめたわけですから、過去と今の対比は非常に面白いなあと思います。

 

 

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出典 トロピカルージュプリキュア38話

 

今一番大事なのはこっちだから、って笑顔で言い切るのがいいですよね。

 

 

おわりに

 

 

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出典 トロピカルージュプリキュア38話

 

百合子との進路の会話においても。

待ってろよ、の後にも。

 

その名前は一切出さず、進路希望表を映すことであすかの気持ちを示すのが非常にオシャレな演出だなあと思います。粋なやつだ。

 

勉強を頑張って行きたいところに行くという覚悟が決まった。

空白の進路希望表が埋まったのはそういうことですよね。

 

 

そんなこんなで良い決着だったと思います。

次回のさんご回も楽しみです。