映画トロピカルージュプリキュア感想-二人とふたりのお話-
※当記事には映画トロピカルージュプリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪のネタバレが含まれています。
トロプリ映画感想、中編です。
ここまでの感想はこちら。
いよいよこの作品の肝となる部分に突入です。
反発する青
さて、遊び倒したことでいよいよ戴冠式。
ローラは戴冠式で目立ちにきたのでまなつたちにコーラスとバックダンサーを依頼し、自分は考えた衣装を身に纏います。この勝手感、とてもローラ。あすかのツッコミが冴えわたりますね。
ただ衣装はその…ダッサ…。ゴテゴテつけまくってる上に色合いも凄まじく悪い。なんだその海藻の緑色は。えりかは『イマイチ』と評してましたが、ずいぶんと優しい表現だなあと思ったぐらいです。てかまなつも『巻いてるねー』ってなんだよwwwwそんな褒め方ある????
えりかの酷評に対してまなつは『どんなのがいい?』とすぐアドバイスを求めるあたりに人柄が出てますね。一方、ローラは反発。ここのシーン、えりかの言う事のほうが正しいとは思いますが先程の雪合戦パートでの遺恨があるのでローラとしては素直にえりかの言うことを聞けないんですよねー。もう可愛いなあこの子は。もちろんローラのことです。
主張が強い者同士、口が強いもの同士。反発は避けられない。でも最終的にはお互いにちゃんと素直に謝って仲直りできてよかったですね。なんだかんだどっちもいい子なのよね。
女王を継ぐ二人
さて、久々にローラ語のお時間です。
『まなつもアイスって…。まあちょっと美味しそうだったけど。』
まなつはアイスに夢中でしたが、そのときローラはえりかと喧嘩中。アイスよりも私の味方してよ!ってことですね。はい、ごちそうさまでした。まなつの興味が自分よりアイスにいってるのが寂しいローラちゃん可愛いね。
そして部屋を抜け出した先で泉を見つけ、ストレス発散とばかりに泳ぎます。歌も歌いながらの彼女のもとに聞こえてきたのはシャロンの歌声。シャロンの『人魚のローラさん』って声のかけかたに強キャラ感出てますよね、正体知ってるあたりとか。
片や次期女王候補、片や次期女王。微妙に立場の違いはあれど、似たような立場の者にそうそう出会えるものではありません。ローラにとってもシャロンにとっても唯一無二の友人って感じがして、とても好きな関係性です。この二人が打ち解け友人になり、固い言葉をなくして話すのは自然な流れだと思います。こればっかりはまなつたちでは補えない。
ところでここでローラが女王を目指した理由を語るわけですが、いやこれ本編に入れとけや!!!って思いました。ローラは目立ちたがり屋で寂しがり屋、だからみんなから囲まれて頼りにされている『女王様』にあこがれて『女王様みたいになりたい』というところから『女王』を目指したんですよね。こんなん映画でしか見れない内容にしちゃあかんのでは???って思いました。ローラの夢の根幹やん。
話が脱線しかけなので戻しますと。
延々くるくる回って泳いでるくるるんがシュールでした。
話、戻したか?
戴冠式にて
いよいよ戴冠式。シャロンは女王にふさわしく装っています。その姿を見てとても笑顔のローラがめちゃくちゃ可愛いですね。心の底から喜びが溢れてるんだなあってのがよくわかります。女王になる瞬間、ローラにとっては夢そのものでしょうから。夢が目の前にあってそれを見ているローラの感情がどれだけのものか、想像に難くないです。
…が、そんな華やかな戴冠式に違和感があります。
戴冠式という重要な国のイベントにも関わらず、シャロンの両親である王様や女王様がいません。そしてゲストやホワンはいるのに、国民らしき人たちがいない。
や、やっぱりー!という気持ちでした。ほらやっぱりおかしかったやんこの国。
そしてシャロンもおかしい。
戴冠式でのパフォーマンスを終えたので当然のように帰ろうとする人々に対して帰還を許さない。いや待って、笑顔あふれる国ってそういうことなの???笑顔にできる人たちを永住させる的な??急にディストピア感が強まってきましたね。よくよく見ると杖についてる宝石?の光り方もどこかあやしいんですよね。ちょっと邪悪さある感じ、純粋にきれいな光だなーと言えない感じ。
『それはどういう意味ですか?』から始まる一連のセリフ、演技力が凄い。一気にシャロンの雰囲気が変わりました。皆を逃さないために空を閉じる。シャンティアも球体のようなものに閉じ込められたみたいですね。
さあ、いよいよバトルだぜ!!
クロスオーバー
シャロンが生み出した雪の怪物と戦うために変身。
トロプリの5人が倒しても復活するため、ハトプリの4人も援軍。
2つの世代の共演。これを見に来た人も多かったのではないでしょうか?
そして驚きなのが全員フル変身バンクという点。計9人のバンクを全部流せばそれだけでも10分近く尺が取られます。とんでもない時間の使い方をするなあと思いました。ですがその価値はあります、スクリーンの大画面で見る美麗バンクは圧巻の一言。サンシャインバンクとかやばいよ。
ということで、一連のバトルシーンで好きなポイントを列挙していきたいと思います。あと気になったとことかも。
題して、トロプリ映画バトルシーンすこポイントです。
・普段とは雰囲気が違うトロプリバトルBGM。
・雪の怪物を素手で殴って『冷たい』というサマー、可愛い。
・ラメール、泳いでるけど寒くないんか?
・サンシャインのバリアにパパイアビーム撃って反射拡散。
・ダブルおしりパンチ、トロプリ側がサマーというチョイスが完璧。
・全員おしりパンチ、光で咲く一輪の花。
・まるペケペッタンコ、サンシャインバリアの捉え方が好き。
・合技トロピカフォルテウェーブ。
うまく2作品をあわせたバトルシーンだったなあと思います。
シャンティアの真実
シャロンの語る過去は衝撃でした。
女王になるはず”だった”。戴冠式の日に空から隕石が降ってきて国が滅んでしまった。そしてその隕石のエネルギーによって、シャロンは蘇りました。
ローラとの会話でシャロンは笑顔あふれる国を作りたいと語った後に『今度こそ』と言ってその表情や声にどこか執念めいたものを感じていたのですが、その意味がわかりました。以前の機会ではそもそも国が滅んでしまったため、できなかった。だから今度こそなんですね。
そしてシャンティアに国民はいません。
だから世界中から人を招待して、シャンティアの新たな国民にしようとしていたわけです。国民無くして国は成り立ちませんから。
自らの目的のために誰かの自由を奪っているため手段としてはもちろん間違ってると言いたいのですが、シャロンが国を失ったことを思うと『やりたいこと』に関しては否定がしづらいなあと思います。同情しちゃいますよね。
…そしてローラも同じだったんだと思います。
女王になるもの同士、シャロンと友情を育んだ彼女。似た立場であったのは女王になるということだけではなかった。国を、故郷を失った。その辛さも同じく体験した者同士でした。
ローラの国、グランオーシャンに早く平和が訪れますように。
ローラの未来が幸せいっぱいでありますように。
シャロンがローラにかけた言葉。
単純に友人のことを想う言葉だと思っていました。
でも突然の災害で国を失った悲劇を味わったシャロンが放つ言葉だと、意味合いも重さも全く変わってきます。シャロン、一体どんな気持ちでローラにこの言葉をかけたんでしょうか?いや想いが重たいってマジで…。
そしてローラの思いは行動に表れます。
雪の怪物は無限に復活する、ならば生み出しているシャロンを止めれば良い。とても理にかなった作戦です。でもそれはシャロンと戦うということです。この決断をあっさり出すハトプリ勢と迷うトロプリ勢、このあたりはやはり経験の差というか先輩後輩世代だなあって思いますね。
割り切るハトプリ勢に対し、ずっと迷っているのがローラです。
戦いの最中にボーッっとしてしまうほどに。
そしてフォルテッシモからシャロンを庇ってしまいます。
いやーもう、ここのシーン好きすぎるんですよね。シャロンと戦いたくない気持ちはローラが一番強いでしょうし、シャロンに傷ついてほしくないと思って思わず自分が出てしまうのもめちゃくちゃ好きです。あと倒れてるラメールの絵は超性癖です。表情やばいって。
シャロンに対して、どうすればよいんでしょうね。
ふたりは
一時離脱。
サマーに目線を向けられたラメールは顔をそむけてしまいます。やはり負い目があるんでしょうね、責任を感じているというか。うーん、落ち込んでるラメール好き。
戦わないといけなかったのに。ローラもわかっていないわけじゃないんです。
でも、ローラは戦いたくなかった。
それが『今一番大事なこと』なんです。
それがローラの素直な気持ち。
そのことを一番に言うのがキュアサマーこと夏海まなつってのがもうホントにこのふたりはさあ!!って感じなんですよね。相手の気持ちをちゃんと汲んでくれている。最高のコンビのふたりです。
今一番大事なことを確認されたときに、シャロンに”言ってやりたい”ことがあるっていう言い方が最高にローラだなあって思います。やっぱ強いよ、この子は。
リップで気合を入れるのも話の流れに自然と盛り込まれていて良かったです。
シャロンにもトロピカってほしい。
そんな想いを胸に、ふたりだけでシャロンのところに行くのが最高でした。
やっぱり、トロプリはこのふたりがメインのお話ですね。
これは人間と人魚の物語。
おわりに
中編はここまで。
とにかくローラとシャロンの関係性がぶっ刺さりました。
この二人の結末、シャロンが迎える結末や如何に。
最後の感想、できるだけ早く書きたいです。
追記:書けました。