べぎログ-べぎの感想・考察-

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主にプリキュアシリーズの感想と考察

トロピカルージュプリキュア9話感想

今日のトロピカる部の活動は『映画に出よう!』

確かにエキストラ出演でも出れれば輝かしい想い出になること間違いなし!今を楽しむ部活であるトロピカる部が参加しない手はないでしょう。

 

それにしても『今週の楽しむための活動はこれ!』でいろんな話題を無理なく展開できるので、やはりトロピカる部の設定は本当に便利だなあとか思います。

 

珍しく前置きが長くなりましたが、そろそろいつもどおり感想行きます。

 

 

 

悩める役者

 

男優と女優で区別してる、私はあまり聞かないですね。

どちらかといえば俳優と女優で性別を区別してるような?

 

作中では性区分を無くすワードとして俳優が使われているので、私は『役者』を使って性区分をなくしたいと思います。

 

さて、映画に出る役者の山辺ゆなさんはお悩み中。これまで癒やし系で売り出してきた彼女が主人公をイジメる悪役のお嬢様を演じることに。

 

持たれているイメージが癒やし系であるのでギャップがあることも悩みのタネですし、何よりも彼女の引き出しの中にそういう悪役がないんでしょうね。これまでは雰囲気にあってる役が多くそのままの彼女でいけばよかったでしょうから。

 

まさに初めてのことに挑戦する新人役者。

 彼女はどうやって意地悪お嬢様を演じられるようになるのでしょうか?

 

 

変化か解放か

 

そのヒントはさんごの行動から。着ぐるみを着てパンデレラとして新商品のサンプルを配るキャンペーンに自ら手を上げ実行

 

 

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出典 トロピカルージュプリキュア9話

 

普段のさんごの姿からは想像できないような、ちょっと上から物言うお姫様みたいなキャラクターになっていましたね。なんかローラみたい。てかまずシンデレラそんなキャラちゃうやろ。

 

ゆなはさんごのことを自身と似たおっとりしたタイプだと思っていて、このような積極的な行動に驚いていました。それは母親のみゆきさんも同じ。実際、3話で一歩踏み出す前のさんごは自分の好みをはっきり言うのもためらうような子でした。周囲の意見に合わせることで浮かないように、また波風を立てないようにする子でした。

 

そんなさんごが最近変わったと表現するみゆきさんでしたが、その変化のきっかけであろうまなつは変わったんじゃなくてもっとトロピカれるようになっただけ』と表現しています。ちょっと何言ってんのかよくわからない。

 

みゆきさんから見れば、さんごは『自分の意見を抑え込む子』から『積極的にやる子』に変化したと見えるわけですよね。これも別に間違いではないと思います。過去のさんごと今のさんごを比べれば変化があるのは事実なんですから。

 

でも実際は『性格が変わった』というより『自分の意見を出すようになった』わけで、『一歩踏み出せるようになった』というのが変化の本質なんですよね。まなつがトロピカれるようになったと表現しているのは、さんごの変化そのものなんです。

 

みゆきさんはさんごの行動の変化を見て、さんごが変わったと思って。

まなつはさんごは行動が変わっただけで、さんごはさんごのままだと思っている。

 

そんな視点の違いなんじゃないかなって思います。

 

さんごは自分の本心を表に出すようになった。

ちゃんと自分の思いを解放できるようになったねってことですね。

 

 

本当の贈り物

 

小さい頃に読んだ物語を改めて読むと色々発見があるものです。これってこういう意味がある描写だったんだ!とかこれって伏線だったんだ!とか、私達にもよくありますね。

 

さんごもシンデレラを読んで、シンデレラが本当に得たものは『自分の新しい運命を切り開く勇気』だと解釈したようで。運命を変えるためにはまず『舞踏会に行く』という一歩を踏み出すことが重要で、そのための勇気をドレスや靴から得たわけですね。なるほど、深い。

 

これにゆなも吹っ切れたようです。

自分がどう見えるか、自分に似合うか似合わないか、イメージ壊れて嫌われないか、色々なしがらみがあって悩んでいたわけですが、極論いえば役を演じるのにそんなのどうでもいいんですよね。

 

役者である彼女がすべきことは、自分の役を表現する。ただ一点。

 

癒やし系の枠に留まっていたゆなが、その枠から一歩踏み出すこと

それが今回の役を演じるのに必要なことだったんですね。

 

演じるときって、一番難しいのは『自己の解放』だったりするんです。一歩踏み出すどころか、振り切れるイメージ。単に『大笑いする』って演技でも、どこか遠慮したり恥ずかしがったりして全力でやれない場合が多い。でもそうじゃなく、全力でやりきることがまず大事なんですよね。

 

大事なのは踏み出す勇気。いい結末だったと思います。

さんごのパンデレラも、同じく一歩だったわけですし。キレイな結論。

 

…ところで、実はさんごがシンデレラを読んでるシーンがしっかりと描写されていたり。

 

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出典 トロピカルージュプリキュア9話

 

流石プリキュア、細部も抜け目ないです。

 

メイクの意味

 

シンデレラが魔法使いからもらったガラスの靴やドレスで勇気を得たのであれば。

 

ゆなに勇気を与えるのは、メイク。

ガラスの靴やドレスと同じように、外見が変わることが勇気を与えるわけですね。

 

ガラスの靴は私達があげる。

踊るのは貴女よ、シンデレラ。

 

このみゆきさんのセリフ、もう表現がオシャレすぎてトロピカってますね。メイクで勇気を与えるということ、実際に一歩踏み出し頑張るのはゆな本人であるということをここまで美しく表現するとは…。これまでにお話の中で出た言葉を使うという点もおしゃれポイント高いです。

 

あすかがメイクを『魔法みたいだな』と言ったり、このあたりのワードセンスがハンパないですね。

 

おわりに

 

さて、次回は4人の合体技。あのまなつのやる気が無くなるということで、まさに最初の山場。

 

ただこれは私が期待していた展開とはちょっと違ってまして。恐らくゼンゼンヤラネーダの能力によりまなつがやる気を失っているわけで、呪いにかかっちゃったようなものなんですよね。

 

私が期待しているのは『試練にぶつかり折れて、そこから立ち上がる姿』なので、ちょっと意味合いが違ってきます。要は絡め手じゃなく、真正面から叩き折ってほしいんですね。

 

なのでちょっと残念だなあと思いつつ、それはそれとして『やる気を失ったまなつ』が如何にしてやる気を取り戻すかは楽しみではあります。

 

 

あとどうでもいいことですが。

 

今週のローラはお休みです。

楽しみにしていた人はごめんなさい!!