べぎログ-べぎの感想・考察-

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主にプリキュアシリーズの感想と考察

【ブラックベル家編】ノケモノたちの夜3巻感想

※3巻収録分、つまり27話までのネタバレがこの感想記事には含まれます。

 

 

私がこの漫画にどっぷりハマったのはまさにこの章からでした。

ということで、ブラックベル家編の感想です。流石に長くなりそうなので、3巻と4巻で感想を分けました。

 

まずは3巻分。既に見どころ満載だったと思います。

 

 

 

 

誇り高き黒の少女

 

この章の魅力はやはりこの少女。ブラックベルの名を冠す少女。


ダイアナ=ブラックベルでしょう。

 

この物語、19世紀ロンドンが舞台なんですよね。伯爵家ブラックベル最後の生き残りである彼女ですが、女性では家督を継げない。なので仮に剣十字騎士団に勝って生き延びたとしても、ブラックベル家が廃業になることに変わりはありません。抹殺命令は女王陛下からなので、騎士団が失敗しても別の何者かが代わりに来るでしょうしね。

 

戦って勝ったとしても、潰されるまで永遠に刺客が来るだけ。

となれば、当然『なんのために戦うのか?』という話になります。

 

 

彼女が戦う理由。

 

誇りのため。

 

たったそれだけ。ですが、貴族が守るべきもの

 

伝統やら格式やらマナーやら、今の時代に生きる私達からすれば一見『面倒なもの』たち。でもそういった事柄をきちっと行い、自分が爵位を持つ家の生まれであることに誇りを持つ。貴族とはそういう者たちなのでしょう。会ったことないからわからないですが、なんとなくそんな気がします。

 

 戦って守れるものは誇りだけ。

ですが、誇りを失っては貴族は貴族足り得ない。

 

だからこそ、ダイアナは誇りを守るために『生き残れる提案』を蹴ってまで戦おうとするんですね。

 

ダイアナのこの選択は全くもって合理的ではないと思います。確実に生き残れる選択肢を捨てて、命を賭けて戦うことを選ぶ。しかもそれだけのリスクを負いながらも得られるものは腹の足しにもならない誇りだけ

 

しかし…。

合理的でない選択誇りというたった1つの理由で貫き通す意志

 

誇りを守ろうとする姿、とても誇り高いと思います。

誇りを守るために命賭けられるって、やっぱすごいと思いますよ。

 

その生き様がとてもカッコいいと思います。大好き。

 

そしてダイアナのところを気に入ってるナベリウスも、自分の気持ちに正直に生きている気がしてとても好き。こういう突き尖った生き方をする人間、永遠ともいえる長い生の中でも珍しいんでしょうね。

 

ダイアナのそんな姿を見て、ナベリウスが肩入れする理由がわかったマルバスも好き。マルバスが『わかってしまう』ほどの強さが、ダイアナにあったことの証なんですよね。

 

周囲の人物の反応でも表現してくれるので、この作品はとても好きです。

 

気高き白の少女

 

ウィステリアというのは『少女』『盲目』ということもあって、非常に弱い存在です。それこそマルバスが居なくなったら、彼女が一人で生きていくのは困難なことでしょう。いわゆる『守られるヒロイン』といったポジション。

 

また、彼女はとても優しい。マルバスとスノウが争ったときも『どちらも大切だから』『2人に争わないでほしい』と懇願したほどです。ある意味ではとても甘い。非情な言い方をすれば…どちらかを選択する、つまるところどちらかを切り捨てるということができないわけですね。無論『どちらもを選ぶ』というのが彼女の強さでもあるのですが。

 

そんなウィステリアですが、ダイアナの戦いには一切口を出しません。

 

危ないから戦うなと頼むこともしない。

マルバスに加勢をお願いすることもしない。

 

大悪魔ナベリウスがいるということは、途方も無い契約の対価を払ったということ。それだけの代償を払い、なおかつダイアナ自身も死ぬ覚悟で戦いに臨んでいる。

 

そこまで決意人間の戦いを、

やめろなんて誰が言えましょうか。

 

そんなダイアナの戦いに、

他の存在が入り込む余地がありましょうか。

 

ウィステリアはそれを理解しているからこそ、口は出さない

彼女の強さが垣間見えた気がします。

 

 

…そんなふうに一度割り切った彼女ですが、最後には『友達を見捨てられない』と一緒に居ることを選んだわけですね。

 

理論的に考えて『口を出すべきではない』となったウィステリアが、その心で出した選択。それが彼女の本心ですし、考えた上で最後に『自分の心』に従って結論を出したというのがとても尊い

 

理論的に考えるだけでもない。心のままに動くだけでもない。

考えた上で、それでもやっぱり心のままに動いてしまう。

 

 

それがとても人間らしくて、いいなって思うんです。

 

 

人ならざるもの…?

 

剣十字騎士団、団長。

致命傷を何度喰らっても死なず、タイマンは勿論ですが大悪魔2体を相手にしても互角以上の戦いを見せる人物。

 

この作品、崩国の十三災と評されるマルバスやナベリウスたちが最強クラスの存在であると思うのですが。その十三災に匹敵する力を持った人物が現れたんですよね。敵側にそういう人物が現れたということは、身が引き締まりますよね。主人公側が絶対勝つという保証がなくなるからです。

 

そして、戦闘力だけでなく非常に頭も回る。

 

単身乗り込んでナベリウスと戦っていたときは、勝てる見込みがありました。ですがマルバスが来てナベリウス側に立つと、あっさりと『交渉』に切り替える柔軟さを持ちます。

 

既にブラックベル家に直系の男子がいないことを勘付いており、それ故に交渉の場に『当主』を求めてきたわけですよね。『出せないであろう』と思っているから。

 

とにかく非常に頭も切れる傑物です。

こういった強い敵役が出てくるのは面白いと思います。

 

 

スタンリー隊

 

 

ビビアンちゃんが可愛い!!!!

 

 

単に私の好みです。シュラくんの悪魔への狂気的な恨みも好きですけどね。

 

 

おわりに

 

3巻最後の話にはアスタロトが出てきていましたが、彼女は『剣十字騎士団に討たれた』とされていたんですよね。『死んだ』とは言ってないんです。要は剣十字騎士団に負けた、ということなので捕虜になっている可能性もあった。

 

それをここで出してくるというのも、とても練られていると思います。

 

これまでの描写が回収されていく様も魅力なブラックベル家編。

 

勿論、4巻収録分もとても面白かったです。

ということで、感想記事は後編に続きます。

 

※まだ書いていません。書き終えたら記事リンクを貼る予定です。