ひろがるスカイプリキュア43話感想
ましろとバッタモンダー、決着回。
なぜ彼だったのか
バッタモンダーの役割についてちょっと考えてみます。
結論から言うと、このポジは彼しかありえないなあと思ったりするわけです。
まずバッタモンダーからすれば、今更ソラ・ハレワタールにちょっかいをかけることはできません。23話で二人の間での格付けは終わっていて、今後バッタモンダーがどんなことをしてもソラちゃんが負けることはないでしょう。
なのでバッタモンダーからすれば、その相方であるましろにちょっかいをかけるというのは自然なこと。ソラちゃんに恨みがあっても本人にはもう勝てないので、ソラちゃんの大切なましろを傷つけることでソラちゃんにもダメージを与えられますからね。
とまあ、バッタモンダーからすれば十二分に説明がつく組み合わせなんです。
一方でましろ側から見れば物語上の意味が見えづらい組み合わせでもある。
ただ、お話を最後まで追えばその意味がわかりますね。
輝きを見つけられなかった二人
物語の当初、ましろは夢もなくこれといって秀でてると思っていることもない状態でした。そんな彼女はまずその優しさを色んな人から認めてもらいました。ソラちゃんからは『今のままでいい』とありのままのましろを、あげはからは『優しさに救われた』とましろによって救われたことを、ツバサも同じく懐かしい味の本当の意味を知ることができましたね。
バッタモンダーはアンダーグ帝国の力絶対主義で傷つき自尊心が失われていました。彼もまた、ましろと同じく自分に自信がなかったわけですね。他者より優れている点がないと自分を認めることができない、という点で二人は似通っていたのでしょう。
ましろの物語としての最後は、自分が誰かのおかげで自らの輝きに気づけ自分を認めることができたのと同じように『誰か』の『自分にとっての誰か』のポジションに立つことだったのだと思います。
強くなったね
ほんわか可愛い優しい系キャラ、という表現が適当かはわかりませんがましろといえば『優しい』というのがまず長所として挙げられるでしょう。
そんな彼女が今回見せた力強さというのがまた刺さるわけですね。
スキアヘッドの言葉を跳ね除け、助けると決めた自分の意志を最後まで貫いたこと。
そして一番彼女の強さを感じたのは、やはりバッタモンダーの心の光を見たとき。
『お願い、消えないで』と願うような言葉から一転。
『ううん、私が照らし出してみせる』と自らの力でなんとかしてみせると力強い言葉を放ってくれました。
トロプリのさんごのときも思いましたが、こういうかわいい優しいタイプの人物が強い意志をみせるシーンを終盤に見るとやっぱり『強くなったね』と思ってしまいます。
曇雨
…さて、そろそろいいですかね。
今回、本筋以外で特筆すべきところとしてはやはり雨濡れ曇りましろんとソラましです。
まずバッタモンダーであることを知ったときのましろん。
昼ドラに出てきそうな暗い雰囲気が好き。
そしてバッタモンダーが去ったあと、ソラちゃんが迎えに来ます。
雨降ってきたからましろの元に傘を持っていたわけですね。夫婦か?
1枚目の作画、ましろの視点で描かれていて凄く好きな表現。
そして、来たときはまだ耐えていたんですが。
決壊、からのこれ。
ソラちゃんという大きな存在が来たことで耐えれなくなって、
その後ソラちゃんによりかかる。
はい、これがソラましです。
もうなんか説明も野暮ですわ。見たらわかるでしょ。
おわりに
ということで私の癖ポイントを抑えながら、見事にましろ回を完結させたなあと思います。最後に誰かを照らし出す光になったというのが最高でしたね。その姿、まさにヒーロー。
そして次回からはついに物語の核心へ。えぇ!?ツバサが飛べるようになる個人回ラストはないんか!?と不安になったりもしますが、いよいよクライマックスに向けて動いていくということなのでしょう。
もちろん、最後まで見守るだけです。
ひろがるスカイプリキュア42話感想
物語の根幹である『ソラ・ハレワタールがなるヒーロー』に触れるお話。
憂いのあおきヒーロー
前話、何故アンダーグ帝国はこのようなことをするのかをスキアヘッドに問うたわけですが彼の返答がソラちゃんに迷いを生じさせました。
『愛するお方がそれを望んでいるからだ』
その言葉を聞いたソラちゃんは戦いを忘れてしまったようですが、何故そうなってしまったのかすら本人はわかっていない様子。それをずっと悩んでいるから様子がおかしかったわけですね。まあその様子がおかしい姿もとても可愛いわけですが。
あとアバンでの憂いを秘めたみたいな目が好き。
そんなおかしい様子をシャララが気づかない訳はなく、悩みを聞くわけですね。
ひとりで
悩むソラちゃんに改めて『君は君のヒーローを目指せ』と以前かけた言葉をかけるシャララ隊長。ソラちゃんも『大切な仲間と共に』と返し、シャララ隊長が何を言おうとしていたかはわかっている様子。
これは推測でしかないですが、困っているなら仲間に頼ってみたらどうだ?と伝えているのでしょう。また『君は君のヒーローを目指せ』という点は『正解ではなく自分の答えを大事にすること』を伝えているように思います。
ところが今回、ソラちゃんはあえて仲間には頼らないと宣言するんですね。
ツバサは猛反発、これに関してはかつてあの伝説の23話でも『仲間なんだから相談してほしい』と仲間であることの大事さを重視していた彼なので納得のいく動きです。仲間が悩んでいるなら力になりたいという意識が見えますね。
…ただ、個人的にも今回はソラちゃんがひとりで考えて答えを出すべき問題だろうなと思っています。メタ的な話になりますが、恐らくこの悩みについての答えはシャララの言うところの君のヒーローつまり『ソラちゃんがなるヒーロー』に直結します。であるならば、ソラちゃんが自身で答えを出すのが望ましいんです。
ソラちゃんの考えとしては『ちゃんと自分と向き合うことでないと答えが出せない』というもの。あげはの言う通り、自分のことはきっと自分にしかわかりません。何故戦いを忘れたのか?戦いを忘れた自分を見つめることで答えにたどり着けるんでしょう。
あえてひとりで答えを出すことを選んだソラちゃんの行動に納得できるし、個人的にもとっても好きな話の流れです。
あなたはあなたのヒーローを目指してください。
きっとそれが素晴らしい物語の結末を生み出すことでしょう。
…それだけかっこよく『ひとりで答えを出す』って決めたのにBパートでいきなり『見つかりまーせん!!!』ってなってたのは笑いました。これもまためちゃくちゃ可愛いんですけどね。
未熟なままで
結局のところ、悩む原因はスキアヘッドの言葉を聞いたから。だからスキアヘッドと話してみたら?というウィングの提案。あくまで『悩みの解決手段』を提示しているだけで答えに直結しない提案なのが良いバランスだなと思いました。
そしてスキアヘッドとの会話。
愛するお方のために、つまり誰かのために戦うスキアヘッドは自分たちと同じかもしれない。であればもしかしたら戦わなくても良いのでは?とソラちゃんは考えたわけですね。
根底の思いが同じなら、もしかして手を取り合えるのかもしれないという発想。このあたりのムーブって歴代シリーズでもあったと思うんですが、それをソラちゃんが悩んだ末の答えとして出すことでこの作品の意図にも沿う部分が出てきたように思います。
迷い悩むソラちゃんに対して、スキアヘッドは迷わないし悩まない。
戦う相手に興味を見出している事自体は否定しないものの、その欲求が『感情的』であること。そんなソラちゃんの姿を『未熟』と評するスキアヘッドでしたが、この言葉を受けてのソラちゃんの返しが最高でした。
これが未熟というのなら、未熟でも構いません。
未熟だから知りたいんです。
未熟だから、立ち止まらず前に進まなければならないんです。
考えて悩むことが未熟だと言うなら、それでいい。
それこそが仲間と共に私が目指すヒーローです。
もはや何一つとして削ることができないと感じたのでセリフをそのまま載せてしまいました。
ソラちゃんが目指すヒーロー、彼女自身が答えを見つけました。
そしてその答えが秀逸。『未熟』という十分に発達していない様を表す言葉を『常に答えに向かってあるき続ける姿』と別のポジティブイメージを与えています。まだ完成していないからこそ、完成に向けて歩き続けることができる。常に何が正しいのかを考え探し続ける。そういう生き様こそがソラちゃんの目指すヒーローなのでしょう。
まーとかく、めっちゃやばいなこれって思いました。
ある意味で『未熟であることが完成形』になってるんですよね。
『未熟』であることを『答え』としたソラ・ハレワタールの答え。最高でした。
おわりに
ソラちゃんはしっかり答えを出したわけですが、スキアヘッドとの話は結局できず。そのあたりも解決させるんじゃないかって思います。対話パートはきっと来る。
そして次回はついにバッタモンダーの正体バレ、恐らくましろ最後の個人回。
彼女の出す答えもまた注目です。
…いよいよ終わりに向かっていくんだなと思って寂しくなりますが、最後まで見届けたいと思います。
ひろがるスカイプリキュア25話感想
ソラ・ハレワタールが可愛い。
ソラ・ハレワタールが可愛い
なんですか?この可愛い生き物。
・楽しみにしているのがお弁当。(ましろ作?)
・ゾウ見て『ビヨーンとしています』と反応。
・キリンを見て『あのお馬さん、首が伸びちゃってますよ』
・ウサギを撫でる。
いや、なんですかこの可愛い生き物。
本当に可愛いね。
エル
真実を知ったことでエルちゃんを大げさに扱ってしまう一行。運命の子であるということから、食べ物や服装や教育に拘ったほうがいいのか?と悩むわけですね。ただそれ自体はエルちゃんが特別であることに関わらず、子育てする親御さんたちはみんな悩んでることと普遍的な問題にしたのが良いですね。
この回の最後にはエルちゃんの分け合う姿勢が見られ、以前との違いも見られました。ましろの絵本のおかげ、そして動物を守ろうとしたのもソラの影響といろんなことを受け取っていっています。
そういうところからエルちゃんの成長を感じられるのが良かったです。
ミノトン
今回から登場した新幹部のミノトン。その気質は武人であり、アンダーグ帝国の目的はエルちゃんを奪うことにも関わらず『プリキュアを倒してから』という手段に拘っています。ちょっとおもろいやつ出てきましたね。これまでも戦いを楽しむ系の幹部はいましたが、目的よりも自分の主義優先するタイプはなかなかいなかったように思います。
個人的に好みですが、こういうタイプって敵さんが甘くなければ許されないタイプですよね。てかなんでこんなタイプ部下にしてるんでしょうね?強いからか。
おわりに
新幹部も登場で新たなクールの始まりだなあと意識する回ですね。
ということで下書きに隠していた25話感想記事を完成させましたが、さてあと14話ぐらい残ってるんですね。どのようにしていくかは未知数、できれば完走させたいですがあまりにも量が多い…。
ソラたちが育児に悩み向き合っているように、私もこの状況に向き合い悩んで答えを出していこうと思います。
ノケモノたちの夜のダイアナについて
ダイアナによってグッとこの作品に惹き込まれた側面があるので、
彼女のことを語る記事はいつか書きたかったんですが。
まー伸びに伸びてこんな時期になってしまいました。
ということで早速参りましょう。
誇り高き貴族
ダイアナといえばこの言葉につきます。
その誇り高き姿が見られたのは剣十字騎士団長との会合時。
家の名誉の回復を願う彼女にとって、彼の提案は一見良さそうに思います。
ところが彼女は断固拒否。
家の名誉、貴族の誇りとは『誰かに施されるもの』ではなく『命をかけて守るもの』だからです。なので例え勝ち目の低い戦であったとしても、戦って勝ち取る道を選んだんですよね。
もう既にかっこよさが天元突破です。
少女が立派に貴族やってるんですよ。なんと気高く凛々しいことか。
彼女の生き様はまさに貴族の誇りそのものだと思います。
あとこの姿勢、ロンドン対魔戦線編でも出てるんですよね。
ブラックベル家の敵とも言える剣十字騎士団長。その団長がダンタリオンとの戦いで傷ついた姿で立っている。団長はそのとき団員や市民を守るために戦っていました。そんな人物を倒すのはブラックベル家のなす戦いではないとナベリウスを止めました。
…強く拳を握りながら。
内に秘めた感情、想像に難くないです。
自身の想いよりも貴族の誇りを優先するその姿が本当にすごいなって思います。
もう尊敬の域に入るわ。
ダイアナとナベリウス
勿論、大悪魔ナベリウスとの関係性も彼女を語る上で欠かせません。
ざっくりいえば、ダイアナが思ってた以上にナベリウスはダイアナのこと気に入ってるんだぜって感じですね。
不死の辛さを問うダイアナにナベリウスは『片っ端から忘れるからよくわからない』と答えます。今さえよければそれでよいと。
その答えにダイアナは寂しさを感じたと思います。
自分はナベリウスといる時間が心地よいと感じても、ナベリウスにとっては『いつか忘れる過去』になるんだろうなというわけです。想いの大きさが同じじゃないと思ってたんですよね、ダイアナは自分の想いのほうが大きいと思っていた。
でも実際は、ナベリウスはダイアナを喪ったことで『どうだっていい』と厄災解臨に踏み切るわけです。彼にとってそれほどまでにダイアナの存在は大きかったことの何よりの証です。
この想いは一方的なものだと思っていた。
でも実際はお互い同じくらい想っていた。
そういう展開、大好き過ぎます。
おわりに
そんな彼女ですが、ウィステリアとの買い物楽しんだり、家族を喪った悲しみに追いつかれないように戦いに全力だったりと年相応の少女らしさも見せたりします。
年相応の少女が誇り高さを併せ持つ。
そのギャップこそが彼女の何よりの魅力なんだろうなと思います。
ソラ・ハレワタールについて
誕生日恒例、キャラ記事です。
恒例と言いながら書くのはめちゃくちゃ大好きなキャラだけです。
好きすぎてつい書いちゃうんだな…。
ということで、ソラ・ハレワタールのことについて語っていきます。
その可愛さ
敬語が可愛い
新シリーズ告知のCMでも彼女は『ソラ・ハレワタールです』と敬語で挨拶してたわけですが、これと活発さがよいミスマッチを起こしているんですよね。元気な子ってどんな相手に対しても物怖じせずいける反面、年上や目上の人に敬語使わずフレンドリーに接する描写も多いです。そういうキャラが多い中で活発かつ敬語というキャラは非常に新鮮でした。
素直でまっすぐなとこが可愛い
ヒーローを目指す彼女は正道を行きます。
急いでいるときであっても人助けは欠かさないし、明らかな罠であっても疑いもせず信じます。ちょーっとおバカに見えるところも可愛いですね。
そしてましろたちの世界のことを知らない彼女はあらゆることが新鮮。ソレに対してのリアクションがいちいち大きくてめちゃくちゃ可愛んですよね。思ったことや感情がストレートに表に出る素直さがすごく可愛いです。
顔が可愛い
可愛いです。
一方で…。
慈愛に満ちた表情から醸し出される魅力だったり
喧嘩を止めるときの凛々しさだったり。
とにかく圧倒的に顔が良いです。
ひろがるスカイプリキュアという物語
光と闇
ひろがるスカイプリキュアの主人公がソラ・ハレワタールである以上、彼女が物語の中心になります。彼女が目指しているのはヒーロー、それは幼い頃の憧れから来るものでした。ヒーローを目指して幼い頃から鍛錬を繰り返したきたという真っ直ぐさが魅力的ですね。
一方で、この真っ直ぐさには危うさも含まれていました。
例えばヒーロー手帳。
ひとりぼっちを恐れない、それがヒーロー。
この言葉はひとりヒーローを目指した鍛錬を続けている中で友達と一緒に居て楽しそうな友人たちを見て羨む気持ちをまるで振り払うかのようにヒーロー手帳に書き記していました。ヒーローという目標に向かって真っ直ぐに進む姿は好ましく思える一方で、ヒーローになるという最終目標とそこに至る道”以外”に入ることを避けているような危うさもあります。少しでも脇道にそれたらヒーローにはなれないと考えているかのような窮屈さがあるんです。
ということで、ヒーロー手帳にも色々闇があるなあと思いました。
あとは他人を守るためなら自分はいくら傷ついてもいいと自分のことを大事にしない危うさも若干見受けられましたね。他人が傷つくぐらいなら、自分が盾になって守るタイプです。
そして彼女、実際は割と臆病だったりするんですね。
ランボーグ相手に震えながら立ち向かったり、おばけが怖かったり(まあこれはめちゃくちゃ可愛いんですが)。ただ彼女の偉いところはその恐怖を感じながらも一歩踏み出すってことですね。恐れがないんじゃないんです、恐れた上で一歩踏み出してるんです。それこそ本当の勇気だと思います。
まあとにかく、光と闇の双方を併せ持つ非常に面白いキャラ造形してるよなあと思います。ただの活発元気ガールじゃないってとこが良いですよね。
…こういう元気っ子が曇る展開はすごく需要がありますが、曇る予兆が本人の性質から醸し出されていたのも良いですね。
ソラ・ハレワタールと虹ヶ丘ましろ
この作品を語る上で、そしてソラを語る上でこの関係性は欠かせません。
後々に『ひろプリはソラがヒーローになる物語』ということを話そうと思いますが、それとは別軸としてこの作品は明確に『ソラとましろのガール・ミーツ・ガール』でありいわゆる『ふたりは』の系譜を継ぐ作品であると思います。
ソラにとってましろは友達ですが、ソラの「初めての」友達というとてつもなく大きな存在であることを付け加えてきています。
ましろにとってもソラは非常に大きな存在です。
学校に居てソラに会えないときにずーっとソラのことを気にしていました。
お互いにとってお互いが大きな存在すぎるんです。互いに巨大感情がすぎる。
しかもこれ、公式でやってるんですよね。そもそもOP主題歌シングルのイラストが『二人のハイタッチ』『ただし2枚買わないと繋がらない』になってる時点で何かがおかしいんです。オタク心わかりすぎやろ。
ヒーローとふたりは
ひろがるスカイプリキュアというお話は個人的に…
・ソラ自身がヒーローを定義し、本当の意味でヒーローになる物語
・ソラとましろのガール・ミーツ・ガール、そこからの変化を描く物語
以上の2点が大きな軸だと思います。
ソラは『ヒーローになる』を目標に掲げているのですが、ではヒーローってなんでしょうか?そもそも彼女が最初に憧れたのはシャララであり、その姿に憧れて『あの人みたいになりたい』とヒーローを目指している状態でした。憧れた姿を真っ直ぐ目指すというのは非常に好ましい一方で、どこか『それは本当にヒーローになるということなのか?』と疑問に思うところがあります。
ソラがなりたいのは『ヒーロー』というより『シャララ』だったのかなと。
なので本当の意味でヒーローになるためには、どこかでこの憧れを断つ必要があったように思います。憧れが強烈すぎるからこそ、断たないと本当の意味で『ヒーロー』を目指せないんですよね。『ヒーロー』とは『誰か』ではなく『私が考えるヒーロー』であるべきだと思います。
様々な経験をして、ソラなりの『ヒーローとは?』の答えを見つけ、最終的にそれに至る。おそらくそれがひろがるスカイプリキュアという物語。ヒーローとは?の答えはソラが出し、作品テーマのアンサーにする構成であると思います。
答えを出すまでの物語はソラの人生でありその時点で面白いんですが、ここに更に『ソラとましろ』を絡めてくるのが凄いんですよね。
そう、23話です。
『わたしのヒーローさん』はある意味で一つ『ヒーロー』を定義したものだと思います。どうあるべきか?というよりかは『誰かにそう思われること』でヒーローになるという一つの答え。あとましろからソラへの巨大感情が凄い。
物語の大きな主軸2つがしっかり絡んでいるんですよね。
そしてこのめちゃくちゃ面白い物語の中心は勿論、ソラ・ハレワタール。
彼女を描く物語が面白いから、彼女に魅力を感じるんです。
おわりに
最後の方はなんかソラというよりひろプリのことについて語ってしまいましたが、物語の軸と主人公は切っても切り離せないのでこんな形になりました。
ソラ・ハレワタールがヒーローになるそのときまでを描く。
ひろがるスカイプリキュアはそんな物語になると思いますが、ソラを描くこのお話をずっと楽しみに生きています。
ノケモノたちの夜 第26夜感想
人の想いとそれに惹かれた悪魔たちのお話。
ダイアナの決意
ナベリウスの召喚に命を賭した家族の契約は『ダイアナを護り、その命に従え』でした。つまるところ、ダイアナだけは助けてほしいという家族の願いです。その想いを聞いた上でダイアナが取った選択は『戦う』こと。最後まで誇り高き貴族でいるために、戦うことを選んだわけですね。
なんというか、すっげえなあって思います。ダイアナの生き方は常に一貫していて、貴族であることに命を賭けてるんですよね。
端から見たら非合理的な選択かもしれませんが、そういった非合理な『人の感情』にナベリウスが惹かれたっていうのもとても良いです。こいつもこいつでなんか人間味ある。
ウィステリアの想い
頭では『戦いに口出しするべきではない』とわかっている。だから去るべきではあるんですが、やはり結局『友達を見殺しにはできない』と残ってしまう。これはウィステリアの情ですよね。その情にダイアナが嬉しさを感じるのもまた良いですね、エッモ。
そしてこういう一度決めたら断固として譲らない意志の強さ、ここにマルバスは惹かれたわけで。二組の人間と悪魔の関係性が示されているのが良い。ナベリウスの『気に入っている』発言にマルバスも同様の返しをするのがおしゃれな構成です。
そして何より、ウィステリアがダイアナにひっつくことで契約者ウィステリアの護衛≒ダイアナの護衛になり大網の裏をつけるというのがとても見事。かなり縛りの強い設定をうまく使ってきたよなあと思います。
おわりに
この作品の魅力とブラックベル家編の魅力ひいてはダイアナの魅力がぎゅっと詰まった1話だったなと思います。私も気に入ってますよ、ダイアナのそういうところ。
やっぱり抜群に面白いなと再認識したのでした。おわり!!
ひろがるスカイプリキュア24話感想
明確なクールの切れ目。
新たな旅立ちの24話です。
運命の子
エルちゃんの秘密が判明。
エルちゃんは王様王妃様の実子ではなく、天(?)から授けられた運命の子であることがわかりました。滅びの運命にあるスカイランドを救うそうです。
まあでもこれに関しては色々な問題が解決します。
・エルちゃんがやっと家族のもとに居れる状況でソラシド市に戻る理由。
・エルちゃんがプリキュアになるとして急成長は必須だが、育児要素とバッティングする。
なのでまあエルちゃんがプリキュアになるなら『そうなるか』という感じですね。
ところで王様と王妃様が素敵だなと思いました。
仮初めの親であっても精一杯エルちゃんを愛し、それ故に二人はエルちゃんから『パパ』『ママ』と呼ばれるわけですから。
1年と少しという短い時間かもしれませんが、この3人は紛れもなく家族でした。
貴女のヒーロー道
ソラがヒーローを目指したのはシャララがきっかけ。
これは間違いないです。でも今回のお話はそこからの脱却が明確に示されたなあと思います。
23話の時点で『最初に志した夢は折れたけど、また新たに夢が生まれた』かのような表現がソラパパからされていました。実際そうなのかはさておき、ソラがヒーローになるとしてそれは『シャララみたいなヒーローになる』であってはならないと思います。誰かへの憧れがきっかけでいいですが、ソラ自身が考えたヒーローでないとちょっとお話として弱いんですよね。
要はシャララへの憧れから生まれた夢というのはどこかで断ち切る必要があったように思います。それ自体は23話でされたと思いますがシャララ自身の言葉で補強しより明確に示した印象の24話だと思いました。
先導を務めるが、自分に続くのはこれで最後。
ソラはソラのヒーローを目指せ、大切な仲間とともに。
ここまで明確に示してくれるとわかりやすくていいですね。
スカイジュエルのペンダントを返したのも、ソラちゃんのシャララ隊長への強烈な憧れがいい感じに収束したように思えてよかったです。会いたいからずっと持ってるのではなくて、進んだ先できっと会えると信じてるっていうのが精神的に成長したよなと思います。
別離の予兆
今回、家族というのがただの血の繋がりではなく『関係性の深さ』でも定義できるよという表現をされていたように思います。王様と王妃様&エルちゃんが1つ目、ソラやましろたちとエルちゃんが2つ目ですね。
別世界の人間であるソラとましろ(ツバサとあげは)は本来出会うことのない関係でした。見た目は変わらないけど住む世界は違うんだなということをふとした瞬間に感じて、そこから『奇跡みたい』って思うのがなんともエモい。
出会えた事自体は奇跡、だけどきっと運命だったんでしょうね。
そして、ましろが『この奇跡がずっと続くといいな』と言っていて、この奇跡の時間を『それが今はすごく嬉しい』と言ったましろに対してソラちゃんが『今だけじゃありません、これからもです』と付け加えたこと。
確かに全てが片付くまではその『これからも』にあたるのかもしれません。では全てが終わった後は…?
今のところどうなるかわかりませんが、やっぱり最後はお別れになるんじゃないかなーと思います。まあそのほうが物語として美味しいシーンたくさん描けますしね。
おわりに
ソラちゃんが自身の道を歩むということ。
そしてエルちゃんの追加戦士へのフラグ。
明確にクールの区切りで方針を示してきたなあと思います。このあたりの構成は割りと意識してそう。
そんなこんなで次の山場であるエルちゃんプリキュア化が楽しみです。
…さも確定かのように言ってますが、EDの描写からして5人目がいるのはかたいと思います。んで誰が?ってなったらそりゃ、ねえ?